2015年9月28日月曜日

植物・パリ15区の街路樹・・・



 おしゃれな果実が、実り始めたのですが、こんな果実です。




 数年前に初めて見たときには、あまりにもきれいなので、びっくりでした。
 コバルトブルーの実と、縁取りのピンクの額の組み合わせは、とてもおしゃれ。




「クサギ」という名前なのですが、漢字では「臭木」と書くので、少しかわいそう。
 大きな葉を引き寄せてみると、たしかにクサギという感じでした。




 「クサギ」は、パリ15区の街路樹にも植えられているということですが、さすがパリジャン好みのいきな色合いかも。

 このきれいな実を、見る度に、パリの街を思い出しそうです。








2015年9月26日土曜日

旅・会津まつり



 9月23日、会津若松市で行われた会津まつりに行ってきました。
 会津まつりに行くのは、今回で2度目でしたが、秋晴れのすばらしい天気でした。




 中央通りで「会津藩公行列」を見た後、鶴ヶ城でみなさまが揃ったお姿も見せていただきました。総勢500名とのこと。





 まるで、映画のロケ現場にいるような臨場感で、会津のみなさまの心意気が感じられました。

 夜は、目当ての「薪能」を見てきました。 今回の演目は「土蜘」でしたが、クモの糸をはくところなど見せ場もあり、楽しく観ることができました。








 舞台が終わると外は、すがすがしい月夜でした。写真の上のほうの白い点が月です。

 それにしても、自前のすばらしい能舞台を持っていらっしゃるなんて、すてきなことだと思います。

 歴史と文化を大事になさっている市民のみなさまの矜持が感じられる舞台でした!

 







2015年9月25日金曜日

植物・彼岸花の群生地



 植物学者の牧野富太郎さんが書かれた本、「植物知識」を読んでいましたら、万葉集に出てくるイチシという植物は、ヒガンバナであると、確信していると書かれていました。



 こんな歌です。

「路(みち)の辺(べ)の壱師(いちし)の花のいちしろく、
      人皆知りぬ我が恋妻を」

                                万葉集巻11-二四八〇

 (道ののべに咲いているいちしの花のように
  もう誰にでもはっきりと知られてしまったよ。いとしい妻のことが。)




 誰にでも知られてしまうような目立つ花ということで、真っ赤なヒガンバナではと確信なさっているようです。




 21日に、ヒガンバナの群生地・美野沢(蓑沢)彼岸花公園に行ってきたのですが、
稲刈り前の田んぼのよこの公園に群れて咲いているヒガンバナは、フランスの田舎の麦畑に咲くコクリコのようにも見えました。




ピンクに見えるのは、盛りを少し過ぎた花です。



              見事なヒガンバナの群生でした!









2015年9月21日月曜日

植物・漱石の野菊




 散歩していますと、あちこちで野菊が咲いています。

                         ユウガギク

 野菊は、ノコンギク、ユウガギク、シラヤマギクなどの種類があるのですが、いちばん多いのが、ノコンギクです。 
                

シラヤマギク
                 
ノコンギクは、葉に触ってみるとざらざらとしているので、すぐにわかります。


                     ノコンギク

 以前に塩原温泉に行ったときに、漱石のこんな句碑を見つけたことがありました。

      ♪湯壺から首丈出せば野菊哉
                    漱石

 露天風呂にゆっくりと浸って、湯壺からひょこんと首を出してみると、野菊が咲いていたというのですが、何となく漱石らしいユーモアも感じられます。

 この野菊とは何だろうと考えてみたのですが、多分、ノコンギクかなと想像しました。



ノコンギク


  漱石は、正岡子規の友人でもあり俳句も多く作っていて句集も出しているほどですが、この句は塩原温泉で作ったということもあり、忘れられない彼の一句です。

 














2015年9月12日土曜日

コスモスの花ゆれて・・・・




  きょうは、久しぶりの青空でした。天気が良いと、気分も明るくなります。



 
 いつもと違う散歩コースを歩いていますと、コスモスが、群れて咲いていました。

  少し風もあり、ゆらゆらと揺れるコスモスに見とれていますと、見事な「アゲハ」が、やってきました。




  
  「コスモスの花ゆれて来て唇に」                     
                       星野立子

  この星野立子さんの句は、10年ぐらい前に、鎌倉文学館で開かれた「天才少女のスローライフ」という星野立子企画展に行ったときに買った小さくてかわいい句集に出ていました。





  この句のようにコスモスは、立って見ていますと、花が揺れてきて、唇にふれそうにも感じます。




 そういえば「アゲハ」は、もちろん触れていましたけれど・・。(^^♪

             久しぶりの青空と揺れるコスモス、すてきな散歩でした。
      


2015年9月8日火曜日

読書・「薔薇色のゴリラ」塚本邦雄 人文書院




 「薔薇色のゴリラ」を、読みました。副題に「名作シャンソン百花譜」とあります。




 この本は、 塚本邦雄さんのシャンソン論ですが、彼の評論は、いつもご自分の感性のまま、好き嫌いをはっきりとおっしゃるところに、好感を持ちます。

 ドラマのないシャンソンはつまらない。歌詞をたどるだけで、短編小説や三幕ものの芝居を読んだり、観たりするような感動を受けるのがシャンソンの醍醐味であると、塚本さんは
書かれていますが、わたしも同感です。




 
  この本のタイトル名にもなった「薔薇色のゴリラ」とは、ジョルジュ・ブラッサンスのことですが、他にもエディット・ピアフやイヴ・モンタンの論もありました。

 エディット・ピアフ論は、「地獄の薔薇」というタイトル。



 
 ピアフの歌で圧倒的におもしろいと、塚本さんが推薦なさっている「カルメン物語」を、ユーチューブで聴いてみました。
 塚本さんのおっしゃるまさに物語がありました。

 ピアフの独特の声を、塚本さんは一度聴いたら生涯忘れられない声と、おっしゃっていて頷けるのですが、わたしには彼女の声は、いつもセピア色のような味のある声に聞こえます。



  イヴ・モンタン論は、「悍馬微笑」というタイトルですが、何となくわかるようで、笑ってしまいます。

 わたしは、イヴ・モンタンの大ファンなのですが、まさに若いころの彼は悍馬だったのかもしれません。

 マルセイユの潮風の匂うような兄(あん)ちゃんで、まさに牡の魅力・男の原型と、塚本さんは言いきられています。



 
プレヴェール=コスマ物の「お祭りは続く」を、塚本さんは「ときどき彼の最高作に擬することもある」と、おっしゃっていますが、この歌もユーチューブで早速、聴いてみました。

 酒場にトタン屋の職人がはいってきて、お酒を飲みいい気分になってくだをまいて、帰るという歌ですが、陽気で気分のよい歌になっています。
 モンタンの味わいのある個性が出ていて、聞き惚れてしまいました。




 
この本は、昭和50年に書かれているので、もう40年も前の本です。 モンタンも、その後、悍馬から渋い男になったのですが、その彼も、今はもういません。

 塚本邦雄さんのシャンソン論は、やはり塚本邦雄さんの個性そのままで、歌人としての卓越した感性が感じられました。

 この本は、塚本さんがマニヤックに大好きだった正統派のシャンソンへのオマージュのように思えてなりませんでした・・。


 





 



2015年9月5日土曜日

ウルトラマリンブルーの実の色・・・


 
 今年も、わたしの大好きなサワフタギの実が、色づき始めました。




 先週は、まだ緑だったのですが、きょう見に行ってみますと、あの鮮やかなウルトラマリンブルーになっていました。

 フェルメールブルーと言われる彼の絵の見事なブルーは、この色です。




 以前に、アムステルダム国立美術館で「牛乳を注ぐ女」を初めて見たとき、ラピスラズリから作られたというウルトラマリンブルーに衝撃を受けたのを覚えています。

 
TASCHEN フェルメール 65p
                      「牛乳を注ぐ女」

 その後、ハーグのマウリッツハイス王立美術館で見た「真珠の耳飾りの少女」のターバンのブルーもこの色でした。


TASCHEN フェルメール 68p
                「真珠の耳飾りの少女」


 「真珠の耳飾りの少女」の瞳と唇が何かを訴えているようで、ターバンのブルーが
その表情を引き立てているようにも見えました。




 ところで、フェルメールといえば、まだ誰もフェルメールに注目していないころ、彼の絵に敬意を持ち評価したのは、プルーストでした。
 「失われた時を求めて」には、フェルメールの絵「デルフトの眺望」のことが、書かれています。

 そのフェルメールが愛したラピスラズリから作ったウルトラマリンブルーは、サワフタギの実の色を見ると、この色に違いないと思えてきます。




 このウルトラマリンブルーの実を、わたしは秘かに「ラピスラズリの実」と、呼んでいます。

 今年も、すてきなウルトラマリンブルーの「ラピスラズリの実」に出会うことができました!!!








2015年9月1日火曜日

読書・すだれを動かす風・・・(万葉集の本たち)




 万葉集の中で、いちばん好きな歌は額田王のこの歌です。



・-・-・-・-・
 君待つとわが戀ひをればわが屋戸の
    すだれ動かし秋の風吹く
                         巻四488 額田王
                       ・-・-・-・-・-・-・




 額田王は、最初に大海人皇子(天武天皇)に愛され、後に近江天皇(天智天皇)にも愛されています。

 この歌は、近江天皇を恋しく思い、お待ちしておりますと、すだれを動かして秋の風が吹いてきます。

 というような意味の歌ですが、額田王の姿が目に浮かぶようで好きな歌です。




 彼女は万葉集の中でも、歌をたくさん作っていますが、美貌の才女だったのだろうなあと
想像しています。

  数年前ですが、滋賀県立近代美術館で見た安田靫彦さんの絵「飛鳥の春の額田王」の
姿が目に焼き付いています。


            「万葉集」角川書店編・角川ソフィア文庫の
               最初のページにありました。

 きょうは、9月1日、あいにくの小ぬか雨で霧もかかっている天気ですが、あたりはもうすっかり秋の気配が漂っています。

以下の本は、わたしの愛用の万葉集です。


                 
                              ワイド版岩波文庫
              新訂 新訓万葉集上下
                       佐々木信綱編
             
            

              「私の万葉集」大岡信 1~4
                 講談社現代新書



                万葉集原文付全訳注1~4
                    大西進
                         講談社文庫



     写真の花は上から
                   ・ワレモコウ
                   ・ツリガネニンジン 
                   ・ユウガギク