2016年6月22日水曜日

プリズン・ドッグ



 NHKドキュメンタリー・プレミアム・カフェの
「プリズン・ドッグ」を観ました。

 見終わった後、しばらくは名画を観た後のように
さわやかな感動でいっぱいになりました。


 犬の人を癒す力のすばらしさ、そして人間の
可能性のすばらしさまで実感することができました。

 「プリズン・ドッグ」は、アメリカのオレゴン州の
青少年刑務所での受刑者と犬の記録です。

 このプログラムの後、再犯率がゼロになった
ということで、注目されているようです。

 青少年受刑者が犯罪を犯すようになった生育環境
などは、家族や本人への取材で推察できるように
なっています。

 また、彼等が世話をして訓練する犬も、虐待などの
被害を受けていた犬たちです。

 かれらは、虐待や見捨てられた後、一時保護施設で
預かっていた犬で、誰かに引き取ってもらわなければ
かわいそうなことになってしまう運命なのです。




 受刑者は3か月間、犬の世話や訓練を忍耐強くする
ことにより、こころを開いていきます。

 そして犬もまた、愛情を受けて訓練されることにより、
すばらしい犬になり、家族に引き取られていくまでに
成長します。

 わたしが一番感動したのは、受刑者たちが自分が
愛情込めて世話をし、訓練した犬たちがホストファミリーに
引き取られていくところです。

 ホストファミリーは、犬を訓練して育ててくれた受刑者に
「サンキュー」といってハグして感謝し、受刑者は
辛い気持ちを胸に、それでも、にこやかに犬と
最後の別れをするのでした。

 そして、最後に受刑者たちに、サプライズがありました。

 ホストファミリーの家で犬たちが幸せそうに暮らしている
ヴィデオを見せてもらえたのです。
 
 「プリズン・ドッグ」
 胸きゅんのすてきなドキュメンタリーでした。

 







2016年6月21日火曜日

逆輸入の花・セイヨウアジサイ



 今年も黒羽町の紫陽花祭りに行ってきました。




 わたしが秘かに「ハイドレンジア・バレー」(あじさいの谷)と
名付けているところは、アジサイブルーに染まり
今年も待っていてくれました。

 
 


 「山渓カラー名鑑・日本の樹木」によれば、
アジサイは、日本原産の花ですが、中国経由で、1790年に
ジョセフ・バンクスさんが、英国のキューガーデンに
持ち込み、それを品種改良したのが、セイヨウアジサイと
いうことです。



 品種改良されたアジサイが、「セイヨウアジサイ」として、日本に
逆輸入されたのですから、おもしろいですよね。



 
  ここでは、ブルーが特に目立ちましたので、酸性の土壌なのかなと
思いました。土壌がアルカリですと、紅色ですが、肥料の差異でも色が
変わるようです。




 久保田万太郎さんは、アジサイのこんな句を
残していらっしゃいます。


  
☆あぢさゐや なぜか悲しき この命
                         万太郎


 


 万太郎さんのこの句のアジサイは、やはりブルーだった
のでしょうか・・・・。











2016年6月17日金曜日

コアジサイが咲きました。



 小紫陽花つつましやかに咲く小道
          水無月の雨静かに降れり
                           あみ





  コアジサイのペールブルーの花が、咲きはじめ
ました。

 コアジサイが咲く頃は、いつも梅雨の季節です。

 コアジサイは、ここに住むようになってから、
知った花ですが、好きな花です。




 
 この小さな花は、咲き終わると、ほろほろと地面に落ち、
やがて、みどりの実をつけます。
 
 その頃は初夏で、いつも季節のうつろいを感じさせてくれる花です。



















 

2016年6月16日木曜日

ハニーサックルの思い出



 「ハニーサックルが咲きましたよ」と、知人に教えていただき
見に行ってきました。
 スイカズラです。




 とてもおもしろい花で、2輪揃って咲き、はじめは目の覚めるような
純白ですが、やがて黄色に変わります。

 その翌日に見に行ったときには、不思議なことにやはり黄色に変わって
いました。




 白から黄色に変わるので、キンギンカ(金銀花)という別名も
あります。




 わたしがロンドンに住んでいた頃、趣味のひとつが
カントリーウォークでした。

 英国は郊外に行きますと、景色のきれいなところがたくさんあります。
 本屋さんで、カントリーウォークの本を買ってきて週末ごとに
出かけていました。

 田舎には、藁屋根などの家もあり、垣根にはハニーサックルが
植えてあるお宅もありました。

 「TREES AND SHRUBS OF BRITAIN」という本に、写真が
出ていたのですが、こんな感じです。(右の藁屋根の家の垣根)




 この垣根のハニーサックルは、

「Shining honeysuckle」といい、学名は「Lonisera nitida」ですが、

日本のスイカズラは

学名が、「Lonicera japonica」です。

 日本のスイカズラは色が変わるのですが、これは黄色のみで
似ているのは、花が2輪いっしょに並んで咲くのと、実も2つというのが
同じようです。

 また、わたしの好きな本

「THE COUNTRY DIARY OF AN EDWARDIAN LADY」には

普通のハニーサックルが出ていました。




 これは、

名前が、「Honey suckle」で、学名は「Lonicera caprifolium」です。


 色も黄色と赤みがかったピンクで華やかなハニーサックルです。
 
いっしょに描かれているドッグローズは、田舎の牧草地の隅のやぶなどで
よく見た野生のバラで、こちらの方はよく見かけました。




 ハニーサックルは、香水やタルカムパウダーにも使われるように
とても香りの良い花です。

 実は、ここに住み始めたころ、何かこの家に名前をつけようとして
「ハニーサックル・コテッジ」と名付けたのを思い出しました。

 白いペンキを塗った板に、ブルーで

「Honeysuckle Cottage」

 と名前を描いてしばらく飾ってあったのですが、もういまは
思い出と共に、どこかにいってしまいました。

 スイカズラが咲くのを見ると、いろいろなことを思い出します。


 
 

















2016年6月5日日曜日

万葉集の花・ノイバラ



 ノイバラが咲きはじめました。
 かわいらしく清楚で好きな花です。




 ノイバラは、万葉集の防人の歌にも茨(うまら)という名前で
詠まれています。

☆道のへの 茨(うまら)の末(うれ)に 延(は)ほ豆の
            からまる君を はかれか行かむ

                    巻20・4352 丈部鳥(はせべのとり)

             「私の万葉集五」大岡信・講談社現代新書170p
                   



 道ばたのノイバラにからまっている豆のようにわたしに
すがっている君を置いてゆくのか・・・・
 という哀しい防人の歌です。

  ノイバラは図鑑で調べてみますと、北海道・本州・四国・九州に、
分布と書いてありますので、万葉の昔から日本の野に咲いて
いた花のようです。