2014年10月30日木曜日

秋深し・・・その3



   きょうの散歩のときに、息を呑むようなもみじの紅葉を見ました。

   緑から黄色、オレンジ、ピンク、赤、青、そして紫と、さまざまな色のグラデーションが何ともいえないほどすてきでした。




    ☆ 裏を見せ表を見せて散る紅葉    良寛     


 良寛が亡くなるときに、彼を慕っていた貞心尼が良寛の最後の言葉として聞き取ったのが、この句だったとか・・・。もみじといえば、いつもこの句が思い浮かぶのですが、なかなか深い意味もありそうです。




今年のもみじの紅葉は、記憶に残る色になりました・・。








秋深し・・・その2   山崎直子さんの講演「宇宙・人・夢をつなぐ」



   きょうもすばらしい秋晴れでした。
   深い真っ青な秋の空を見ていると、宇宙のことを考えてしまいます。

   先日の日曜日、宇宙飛行士の山崎直子さんの講演「宇宙、人、夢をつなぐ」
を、聞いてきました。




  山崎直子さんは、国立お茶の水女子大学附属高等学校から、東京大学工学部航空学科に進んで卒業、米国メリーランド大学留学その後、東京大学大学院航空宇宙工学卒業という才媛です。

  お話も、写真を多用され、わかりやすい内容でした。お話をお聞きしていますと、彼女の知性が感じられ、人間的にも魅力のある方に違いないと思われたのですが、私が、彼女の話でいちばん心に残ったのは、こんな話でした。




 彼女が宇宙ステーションでの仕事を終えて地球に戻られたとき、草のにおいや、土のにおいのすばらしさに感動なさったということでした。

 すてきなお話だなあと思いました。

 私は、空に浮かぶ雲を見るのが大好きなのですが、ここ当分は雲を見ると、山崎直子さんのお話を思い出しそうです。


2014年10月28日火曜日

秋深し・・・その1



昨晩は、大風が吹き荒れました。
季節が変わる知らせです。

やはりきょうは、今年一番の寒い日になりました。
散歩は、きみどりのフリースに、イエローのフリースの
マフラーまで巻きました。

昨晩の強風で、紅葉した木々の葉も
大分落ちてしまったのですが、

最後の紅葉の写真を写そうと思い
キョロキョロとしていましたら、

何と、むらさきに紅葉した葉を見つけました。



                  紫色に紅葉した葉っぱともみじの紅葉


もみじも、なぜか凄みのある深い色に紅葉していました。

この季節には、真っ青な青空から、ぱらぱらと
小雨が落ちてきて
たちまちしぐれになるのですが、
きょうの散歩のときにも、かすかにしぐれていました。

もっとしぐれると、虹がでるのですが・・・。



                        晴れた空からしぐれが・・・

わたしは、このしぐれの季節が好きなのですが、
詩人の室生犀星もしぐれが、好きだったようで、
こんな詩を残しています。

・ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
「草原」       室生犀星

僕はしぐれの季節が好きだ
やや枯れはじめた草原などで
あるかないかの雨あしをしらべるときの
定まりのない心はなににたとへていいか分らない
深い田舎の秋にはそれが多い
さういふとき人間の心はじつに優しさに深められる
心は時計のやうに敏活(さとり)ふかくなるのだ
私は国にゐて
くらい座敷の一隅に机を据えて
よくその音をきいた
いまもその時雨の音がきこえる
・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
                   「愛の詩集」室生犀星詩集  角川文庫167p






ゴダイヴァ伯爵夫人



わたしがチョコ好きになったのは、ベルギーのアントアープに
住んでいたからかもしれません。

ベルギーは、チョコレートで有名ですが、街を歩いていると、
チョコレートの専門店があちこちにあります。

イースターのころになると箱入りのすてきなデザインにアレンジされた
チョコレートをいただいたのを覚えています。

アントワープ駅の近くには、わたしが世界でいちばんおいしいと
思っていたチョコレートの名店の[DelReY]デルレイがありました。

「デルレイ」は、世界中に出店がなくアントワープだけと思っていたのに、
ついに日本にも、出店してしまったので、ちょっぴり残念でもあります。

「ゴディバ」のお店は、最近では日本のあちこちどこでも見られるように
なりましたが、わたしが好きなのは、シンプルなミルクチョコレートです。




このシンボルマークは、よく見ますと裸の髪の長い女性が馬に乗っている姿が
描かれていますが、こんなイギリスの伝説があるのをご存じでしょうか。

この女性は、英語読みでゴダイヴァ伯爵夫人というのですが、聖母マリアを
崇拝する信心深い方だったそうです。

ゴダイヴァ伯爵夫人は、夫に領地の住民に課した重税を減税してくれるようにと、
いつも嘆願していたのですが、

夫は妻の度重なる嘆願を聞いて、もしあなたが裸で馬に乗って街中を
走ったなら願いを叶えてやろうと提案しました。

ゴダイヴァ伯爵夫人は、もちろん住民のため、裸で馬に乗って街中を
走りました。そのときにそれを知った街の人々は、窓や戸口をふさいで
夫人の姿を見ないようにしたということです。

このイギリスの伝説のお話に共感したベルギーのゴディバの創立者が、
会社名を「GODIVA」にし、
裸で馬に乗っているゴダイヴァ伯爵夫人の絵を、
会社のシンボルマークにしたということです。

この伝説のお話には、おちもあります。

ゴダイヴァ伯爵夫人が裸で馬に乗って街中を走っているときに、
ひとりだけこっそりとのぞき見をしていた人がいたのですが、
その人の名前から
のぞき見をする人のことをPeepingTom「ピーピングトム」と
いうようになったということです。、










2014年10月14日火曜日

旅・北野天満宮・ずいき祭




 10月1日から5日までの5日間は、京都・北野天満宮のずいき祭でした。




 北野天満宮の近くに北野天満宮お旅所があるのですが、そこに初日に御輿が、奉安されるのを見てきました。

 北野天満宮から出発したお御輿は、獅子を先頭に行列を作って、お旅所まで練り歩きます。平安時代のかわいい身なりの幼児や、楽人もいて、古いお祭りなのだとよくわかりました。
                



 ずいき祭のずいきとは、ずいき期間中にお旅所に奉安される「ずいき御輿」からきているとのこと。この御輿は、里いもの茎である芋ずいきで屋根を葺くことからその名があるそうですが、他の部分には、野菜・湯葉・麩などの乾物で装われ、おもしろい趣向で飾られていました。





                  ずいき御輿(ハリー・ポッターもいました)


 このお祭りは、室町時代からあるそうですが、「大宰府でお隠れになった菅原道真公の御霊が、神さまとして初めて北野の地においでになる」ということから「おいでまつり」とも呼ばれているとか。





 偶然に出会ったお祭りでしたが、京都の人々が大事になさっている行事なのだということがよくわかりました。




旅・京都 大原 寂光院 コスモス揺れる道・・



  寂光院は、京都・大原にある天台宗の尼寺ですが、建礼門院徳子が源平の戦いに壇ノ浦で敗れた後、平家一門と我が子の安徳天皇の菩提を弔うために、終生過ごされたところとして、有名なお寺です。

 大原のバス停から、ゆっくりと山里の細道を歩いて行くと、コスモスが咲き乱れている風景が、とてもすてきでした。




  寂光院を訪ねたのは、10月1日でしたが、紅葉にはまだ少し早く、参道のもみじもまだ、あおあおとしていました。




  白洲正子さんは著書の「古典の細道」の中で、能の「大原御幸」とからめて、興味深い話をなさっています。

  白洲さんは能の「大原御幸」をご覧になられ、これは一種の恋愛物語に違いないと思われたのだそうです。

  平家物語にも出てきますが、後白河法皇が、この寂光院の徳子を訪ねられたとき、彼女は裏山に花を摘みに行って戻られるところでした。

  徳子は他の尼たちにうながされて、庵室に入って後白河法皇と対面なさるですが、そこで何があったのか、なかったのか・・・。

  白洲さんは、このお話が「大原御幸」として、能などに取り上げられたのは、当時の人々の間で怪しげなものと見られたのではないからかと、分析なさっています。

 そして、さらに能のような芸術は、根も葉もない話を創作することはなく、見物人の先入観を踏まえて作るのが、常識でもあったとも書かれています。

 ひじょうに美しい人であったという法王の寵后建春門院は、徳子の生母と姉妹でしたので、徳子もうつくしい女性だったのでしょう・・。



 建礼門院徳子の住んだ庵室跡に佇むと、彼女の数奇な人生が思われました。


                  

                      建礼門院徳子の庵室跡




                      庵室跡にさす木漏れ日



  ここは、平家物語の諸行無常という言葉がぴったりの場所かもしれないなあと思いながら、寂光院をあとにしました。



2014年10月12日日曜日

旅・比叡山延暦寺その2・掃除地獄



 比叡山延暦寺には、掃除地獄と呼ばれている場所があるのをご存じでしょうか?

 そこは、西塔から少し下ったところにある浄土院で最澄の御廟所です。



                  浄土院(掃除地獄と呼ばれているところ)


 浄土院では、天台宗のお坊さんが、籠山行という修行をなさっていて、12年間もの間、毎日院内を落ち葉1枚、草1本も生えないように、徹底した掃除をなさっているということです。

 院内に入らせていただいたのですが、白い砂利道に歩いた足跡があったほかは、とてもきれいでした!

 天台宗のお坊さんによれば、掃除は、3つの大事な修行のひとつで
その3つとは、
1・掃除 
2・看勤(かんきん=お勤めをすること)
3・学問
だそうです。

そして、
掃除をすると5つもの功徳もあるそうで、
1・身も心も清浄になる。
2・自分だけでなく他人の心も清浄になる。
3・神さま仏さまが喜んでくださる。
4・人相がよくなる。
5・幸福がめぐってくる。

 ということですから、すばらしいことですね。
    掃除は、身だけではなく、心もきれいにするということのかもしれませんね。





旅・比叡山延暦寺その1



 9月の末に、ユネスコ世界遺産に登録されている比叡山延暦寺に行ってきました。
 


                  
 比叡山に行くのは初めてだったのですが、山頂に着いたとたんに、空気がきれいだなあと
実感。最初に山頂駅から歩いて、東塔に行ったのですが、東塔付近のあちこちに、ミカエリソウが群落を作っていっぱい咲いていました。

 初めて見た花だったので調べてみますと、分布はやはり本州の愛知・福井県以西に咲くと書いてありました。写真の左上の花です。あまりにも美しい花なので、見返るのでこの名前がついたとのこと。ミカエリソウは、比叡山の思い出の花になりました。
                  

 比叡山延暦寺は、伝教大師最澄が開いた天台宗の総本山ですが、日本仏教の著名な僧である法然、親鸞、栄西、道元、日蓮などが、ここで修行なさっているので、日本仏教の母山ともいわれています。



                 右上 根本中堂(不滅の法灯があります。)


    「ここで、緑の深さを知った。ここで、朱の優しさを知った。」

 これはパンフレットのすてきなキャッチコピーですが、そのやさしい朱色は、東塔、西塔、横川のそれぞれの建築物に見られます。わたしは、1200年間灯され続けてきた「不滅の法灯」のある根本中堂の錆びた朱色が、一番好きな色でした。

 「不滅の法灯」は、あの織田信長の比叡山焼き討ちの時には、山形県にある山寺( 宝珠山・立石寺)に分灯してあったので、存続することができたのだとか・・。

 1200年間、油を継ぎ足しながら「法灯」を守ってきたというのは、すばらしいことだと思いました。












2014年10月10日金曜日

自然・秋のコラージュ



☆アケビの実のうすむらさき、
         ☆紅葉した木の葉
              ☆ガマズミの実の赤
                     ☆マムシグサの実の朱色で、

   秋のコラージュを作ってみました。










  
   自然の色って、すばらしいですね!









那須で阿波踊り



 10月9日は、那須温泉神社の例大祭で恒例の阿波踊りの奉納がありました。




 那須温泉にあるホテルのオーナーが徳島出身ということで、毎年阿波踊りの奉納をなさっているということです。徳島の阿波踊りは、数年前の夏に見に行ったことがあるのですが、そのときに徳島の桟敷で見たよりも、感動的でした。

 同じ踊りでも、神社の前の広場でゆったりとした雰囲気の中で見せていただいたのは、格別なのかもしれません。











☆「天水連」のみなさま、すばらしい阿波踊りありがとうございました。
          楽しませていただきました!


   

2014年10月6日月曜日

那須の自然・虹



 関東地方を直撃した台風18号も通りすぎ、午後の3時頃には、青空も少し出てきました。

 散歩しようと、外に出てみましたら、何と東の空に、虹が出ていました!!!





  わたしは、虹を見ると、ワーズワースの詩を、いつも思い出します。

 こんな詩でした。
      訳してみます。

・ー・-・-・-・-・-・ー・-・-・-・-・-・-・-・-・
      「虹」       ワーズワース

空に虹を見ると、わたしの心はわくわくしてきます。
人生がはじまったばかりのころもそうでしたが
大人になったいまでもそうです。

もっと、歳をとってもそうでしょうし
そうじゃなかったら、死んだほうがましかも。
子供って人間のお父さんみたい。

わたしの人生での
これから過ごす一日一日が
自然への賛歌でありますように
と、願っています。

                        訳 あみ
・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・   



 イギリスの詩人ウイリアム・ワーズワースが見た虹は、イギリスの湖水地方と呼ばれる
すてきなところだったのですが、世界中のどこで見ても、虹は同じ見る人のこころをわくわくさせる何かを持っているように思います。




 

2014年10月5日日曜日

旅・京都のお寺で写経



 秋の一日、京都のお寺で写経をしてきました。
                       東福寺の塔頭の勝林寺です。




 写経をした部屋は、明るい庭に面していてときどき涼風が吹きぬける気持ちの良い
空間でした。

 筆ペンで、下の文字をなぞって書くのですが、出来上がってみると、自分のいつもの文字になっているので、苦笑してしまいました。

 文字を一生懸命に書いたのは、久しぶりでしたが、心が豊かになるようで、たのしいひとときでした。

 写経の後で「琥珀柚子」という干菓子と、抹茶をいただいたのですが、おいしかったです。