2018年4月30日月曜日

最強の美少女!





 うっとりと見惚れてしまうような美少女に会いに行ってきました。
 「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)」という題のピエール=オーギュスト・ルノワールの絵です。



 ルノアールのこの絵は、絵画史上最強の美少女とキャッチコピーされていたのですが、モデルのイレーヌは当時9歳で銀行家の娘だったそうです。




 「いつまで見ていても飽きないわね」と、おとなりで見ていらした方が言われていたのですが、その言葉通り、いつまで見ていても、飽きない心惹かれるものがある絵でした。




 国立新美術館で開催されている「至上の印象派展」は、スイス人の実業家のビュールレのコレクションです。彼は最初に、印象派のクロード・モネの「ヴェトゥイユ近郊のヒナゲシ畑」の絵に惹きつけられ、その後、コレクションを増やしていったということです。

 この会場の最後の部屋にクロード・モネの「睡蓮の池・緑の反映」がありました。




 そいえば、プルーストも、「失われた時を求めて」のスワン家のほうへ1の中で、クロード・モネの睡蓮連作に触発されたような描写と思われる文を、書いています。
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このあたりまで来ると岸辺にはどこも木がこんもり繁り、大きな木の影になって、水もふだんは暗い緑の地色だったが、ときに午後の夕立がやみ、からりと晴れあがった夕方、私
たちが散歩から帰ってくると、水面がまるで七宝かと見まがうほど、日本風の、派手に目をひく、紫に近いライトブルーになっているのを見かけたことがある。・・・・・・・・
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引用「失われた時を求めて」1スワン家のほうへ1プルースト作・吉川一義訳 365p
            
 この文は素敵なスイレンの花の描写へと、もっと続くのですが、モネの睡蓮の絵を、言葉にしたようで、読んでいても魅せられてしまうところです。

 印象派のモネの絵は、プルーストにまで影響を与えていたのですね。

 それにしても、今回の「至上の印象派展」のルノワールの美少女の絵は、記憶に残る一枚の絵になりました。












 
 








2018年4月22日日曜日

ヤマザクラが満開になりました。



 昨日ときょうの初夏のような天気で、うちのヤマザクラが満開になりました。




ヤマザクラは、なぜか朝の光の中で見ると、一段とすてきに見えるような気がしますのできょうも早起きしました。

 わたしは何の花でもそうなのですが、満開ではなく、開きかけが好きです。
 この写真の花も、ちょうど満開の少し前です。

 

 桜といえば、西行の歌がすぐに思い出されるのですが、何と彼の全作品に出てくる植物の中で桜はいちばん多いとのことです。

 春風の花を散らすと見る夢はさめても胸のさわぐなりけり
                             西行




 夢の中で見た春風を散らす桜に、胸がさわぐと、彼は詠っているのですが、夢の中でこそ本質的な意味での現実なのだということなのでしょうか・・。

 花(桜)は、好きだけれども、西行にとっては、胸のさわぐような憧憬の存在だったのかもしれませんね。


空のしずく・水色の花




 ここ数日初夏のような天気が続いているのですが、ヤマツツジの新緑が始まりました。
 きょうの散歩のとき、枯葉の中にぽつんと水色のかわいい小さな花が、目に止まりました。



 ハルリンドウです。


  




 このハルリンドウとよく似ている花のフデリンドウを、川沿いの道で見つけました。
                    ↓


 フデリンドウは蕾が筆の穂先に似ているので、そう名付けられたということですが、フデリンドウには、根生葉がありません。

 




 こんなにいっぱい、がんばって咲いているブーケのようなフデリンドウもありました。
水色の花を見ていると、空の色がしずくになって落ちてきたように思えました。


 








2018年4月21日土曜日

万葉集の花・山吹





 ヤマブキの花が咲き始めました。
 


 ヤマブキは、万葉集にも出てくる花です。

「かはづ鳴くかむなび川に影見えて
            今か咲くらむ山吹の花」
                 巻八 一四三五

 厚見王(あつみのおほきみ)の歌です。かじかの鳴くかむなび川に影を写して、今咲いているのだろうか山吹の花は・・という意味です。
 




 花は鮮やかな黄色で、陽に照らされると金色に輝くので、黄金色のことを山吹色というのも頷けます。

 また、ヤマブキは、万葉人にとって、西アジアの伝説の黄金色の花=命の泉のほとりに咲く永遠の命の花ともみなされていた思い入れのある花だと、万葉研究家の中西進さんはおっしゃっています。




 青空に向かって輝いて咲いているヤマブキを見ると、元気がもらえそうです。
 やはり万葉人が考えていたように、永遠の命を持つ花なのかもしれません・・。
          

2018年4月15日日曜日

久しぶりのもふもふ・・




 昨日の土曜日は、寒い一日だったのですが、久しぶりに那須動物王国の動物たちに会いに行ってきました。



  寒い日だったので、猫ちゃんたちのいるところは、暖房のストーブがつけてあり、うとうとと、まどろむ姿にいやされてきました。







  猫は、ネコ科の中では、いちばん小さくかわいい動物ですが、こんな表情をするとやはり、ネコ科なんだねと思い知らされます。ミュージカルのキャッツを思い出しました。





 賢そうな表情です。
「ネコは絶対的な正直さを持っている」と、ヘミングウェイが言ったということですが、猫の表情や行動を見ていると、本当にそう思われますよね。




 わたしは、この猫が一番気に入ったのですが、なかなかじっとしていてくれませんでした。何度もドアの前に行って背伸びしていましたので、別の部屋での食事かなにかが気になっていたようです。
 不機嫌そうな顔がまた、かわいいと思いませんか?




 同じ部屋の真ん中では、もふもふの犬たちも、ぐっすりと熟睡していました。



 部屋の中で、放し飼いにされていて、犬や猫に自由にさわることができるのは、小さな子供たちにも、大人気でした。部屋の中は大人も子供も、しあわせそうな笑顔にあふれていて、わたしも動物たちから、笑顔をもらってきました。

 

2018年4月9日月曜日

春のメルヘン・・・




 ここ数日、続けて春の景色を見に出かけているのですが、きょうは、偶然にとっておきのメルヘンのようなすてきな春の景色に出会うことができました!!!



ソメイヨシノと、レンギョウの散歩道ですが、ぽっかり浮かんだ白い雲がのどかです。




 ソメイヨシノと、ふわふわのユキヤナギの取り合わせも、GOOD!



 
モモの濃いピンクと、ソメイヨシノです。




 パステルカラーに染まったやさしい風景の中を歩いていると、むこうから「ヤッホー」という大きな声が聞こえてきました。




 しばらくしてからすれ違って言葉をかわしたのは、溌剌となさった初老の女性とやさしそうな息子さんのすてきなお二人でした。




 女性の方は「こんな風景を見ているとついヤッホーと叫んでみたくなったの」と、笑いながらおっしゃっていました。
 息子さんがこっそり、「ここは大好きな場所で、穴場です」と、言われていたのですが、ほんとうに120%気持ちの良いすてきな散歩道でした・・・。 





春の妖精・カタクリ




 きょうは、白河の関にカタクリを見に行ってきました。



今年のカタクリは3月29日に、那珂川町のカタクリ山公園に、見に行ったのが最初なのですが、ちょうど満開で見頃でした。白河の関は、きょう見頃でしたから10日以上の遅れになります。




 カタクリが春の妖精(スプリング・エフェメラル)と呼ばれていているのは、みなさまもご存じだと思いますが、花は咲いてからわずか1,2週間後には色褪せはじめ、2か月ぐらいで花も葉もすっかり地上から消えてしまいます。




 カタクリの葉は2枚ですが、最初は1枚だけです。

      


 2枚の葉を持ち開花するまでに、7年もの長い年月が、かかります。




 カタクリの蜜を、チョウやハチが吸って受粉、そして実が結実して種になり、今度はアリがその種を地上のあちこちに運んで、7年かけて、ようやく開花するのです。




 今年の春の妖精のカタクリを見る行脚は、那珂川町のカタクリ山から始まったのですが、うちのまわりでも、もちろんあちこちで見ることができます。

 もうしばらくの間、春の妖精は地上にいてくれるようですから、散歩のときにも出会えるのを楽しみにしています。










日本画のようなさくら・・




 白河の南湖公園のだんご屋さんで、写させていただいた3枚です。
 午後の陽ざしが、黄色の壁に影を作っていてすてきでした。



 
 こちらも、同じさくらですが、見ている人をやさしくしてくれます・・。




 蕾の濃いピンクが、アクセントになり、陽ざしが金色に輝いていました。




  絵のように美しいという表現がありますが、美しいものは、感じるこころがあってこそ
美しいのだとしみじみと思いました。





今年一番のさくら・・





 きょうは、今年一番の桜を見てきました。
 白河の南湖公園の桜です。





  しだれ桜のうす桃色のやさしい色あいのグラデーションは、いつまで見ていても飽きませんでした。





背景の水色は、南湖で、きらきらと陽に輝いて白く水玉模様が出来ていました。




 風が強く枝がしなって動くので、シャッターチャンスが難しかったです。




 それにしても、こんなにすてきな桜を見ることができて、幸せな午後でした!
 




2018年4月7日土曜日

セントウソウの2つの意味?




 きょうの散歩のときに、セントウソウが咲いているのを、見つけました。
 わたし好みの白い小さな花です。
 いままでは、この花は、春に他の花に先駆けて先頭に咲くので、先頭に咲く先頭草だと思っていました。



 ところがきょう、調べてみますと、
「仙洞草」とも書かれていると知りました。

 仙洞の意味は、辞林21には、こう書かれていました。
 1・太上天皇の御所・仙洞御所
 2・仙人の住む清浄界

 ということは、仙人の住むような清浄界、つまり人里離れたところに咲く花という意味かなと思いました。
 そういえば、人里離れたイワウチワの咲く山を訪ねたときにも、セントウソウが咲いていました。




京都の仙洞御所は、退位なさった天皇がお住まいになられた御所ですが、仙人の住む清浄界のようなところという意味もあったのですね。

 野草の名前の意味を調べてみると、いろいろな発見があり楽しいものです。





お城と桜のある風景・・




 白河にある小峰城の桜を見に行ってきました。
 花曇りで寒い天気だったのですが、桜はちょうど満開で見ごろでした。





 下の写真は、乙女桜と呼ばれている桜ですが、この桜にはおとめという女性の哀しい話が残されています。




江戸時代にこのお城で大修築が行われた時、石垣が度々崩れるので、人柱としておとめという女性が選ばれて犠牲になりました。人々はそこに桜を植え、おとめ桜と呼んでいたのですが、戊辰戦争のときに焼けてしまいました。ところが、春になって焼けた桜から新芽が出て、また花が咲くようになったということです。




 日本全国どこのお城にも桜がありますが、この白河の小峰城のおとめ桜は、特別の桜のように思えてなりませんでした。




 2011年の東日本大震災のときに崩れた石垣は、いま修理中のところもあるのですが、人々の憩いの場所として大事に保存していきたいお城だと思いました。
 この小峰城は、盛岡城、会津若松城(鶴ヶ城)と共に、東北三名城だそうです。








2018年4月5日木曜日

奥州街道・芦野のさくら



 奥州街道の小さな城下町、芦野
 城跡のある御殿山の桜・・





 古い物語がいっぱいありそうなひっそりとした
 いまは誰も住んでいない武家屋敷の跡・・・
 

       
 

その庭に見事な樹齢400年のしだれ桜がありました。
  


芦野の町外れにある大きなお地蔵さま
 芦野の子供たちをずっと見守ってきたのでしょうね・・





 その近くには、芭蕉が奥の細道の旅の途中に寄った「遊行柳」があります。



  柳は、もうやさしいきみどり色に芽吹いていました。
  芭蕉は、ここで田植えの光景に出会い、こんな句を残しています。

  田一枚植ゑて立ち去る柳かな
                 芭蕉


  この奥州街道は、西行も平泉までの旅を歩いた道でもあり、この辺りの風景はなつかしさを感じるような好きな場所です。