2018年8月31日金曜日

夏の終わり・・・



 今年の夏は、猛暑というよりも酷暑が続いたのですが、きょうのこちらは現在の室温が24,1度と凌ぎやすく、もう、夏も終わりかななどと思ってしまうほどです。



 
 きょうは、8月31日ですが、メル友から、昨晩、こんなすてきな言葉を、いただきました。
 「8月最後の日が良き日でありますように!」




  すてきな言葉ですよね。
  こんな言葉をいただいたので、きょう一日とても幸せな気持ちで過ごしています。




 本箱からときどき出して読む本に、アランの「幸福論」神谷幹夫訳・岩波文庫があります。
 いつも無作為に本のページをめくり、そのときに気に入った言葉に、黄色やピンクのサインペンで線を引いているのです。




 41ページに黄色のサインペンで線が引いてある言葉を見つけました。

 「ほほ笑みはあくびと同じように、からだの奥まで行きわたる」




 「ほほ笑み」という言葉は、小学校のときに担任の先生から色紙に書いていただいて以来、大好きな言葉なので、多分線を引いたのだと思います。

 「ほほ笑みはあくびと同じように、からだの奥まで行きわたる」




 メル友の言葉は、きょう一日、わたしに「ほほ笑み」を、くださいました。
 感謝です。




  
  みなさまも、
 「きょうも一日 良き日でありますように!!!」








2018年8月30日木曜日

藤田嗣治展・東京都美術館にて



 8月26日、藤田嗣治展を見に上野公園にある東京都美術館に行ってきました。36度の猛暑日のせいか、日曜日にもかかわらず並ぶこともなく、スムーズに見ることができラッキーでした。




 藤田嗣治は、わたしの大好きな画家ですが、今回特に惹かれたのは、1949年に
ニューヨークで描いたという「カフェ」という絵です。現在は、パリのポンピドゥーセンター所蔵とのこと。





 この画の前にたったとき、なぜか圧倒的に惹かれるものを感じしばらくの間、動けなくなってしまいました。
 もとより好きな彼の画ですが、こんなにも惹かれたのは初めての経験でした。

 物憂げな女性のまなざし、
 その彼女の内面を引き立てるような、乳白色といわれる肌の質感、
 黒のドレスとバック、
 書きかけのインク染みのある意味深な手紙・・・、
 ワイングラス、
 インク瓶とペン・・
 ワインを運んでいる髭ピンのギャルソンは、後ろ向き、
 シルクハットを被ったムッシュー
 あまりにもパリそのままのような、カフェの風景です・・・。

 それよりも何よりも、この女性の内面まで匂い立つように描かれていることがすてき!

 この画を、藤田は戦後の1949年に日本を離れ、パリへのヴィザをとるために滞在したニューヨークで描いたのでした。

  藤田のパリへの憧憬の痛いほどの想いが込められているので、こんなにもわたしのこころを打ったのかもしれません・・・。




 この画は、君代夫人も「気品があっていいわね」とおっしゃり 美術館への寄贈がきまり寂しがった夫人のために、藤田は、ほぼ同じ画を描かれたということですが、やはりこの画は、別格だったのではと思いました。

 この画の藤田手製の額もとてもすてきで、右側に彫られたワイングラスにスプーンが
さしてある素朴な彫刻もチャーミングでした。





 パリで初めて藤田の画(寝室の裸婦キキ)を見て彼のファンになってから、もう大分たつのですが、わたしの藤田の画を見る旅は、フランスのランスにある「ノートル=ダム・ド・ラ・ペ礼拝堂の中のフレスコ画」、大原美術館の「舞踏会の前」、笠間日動美術館の「室内(妻と私)」、京都国立近代美術館の「タピスリーの裸婦」、国立西洋美術館の「坐る女」、秋田県立美術館・平野政吉コレクションの「秋田の行事」、ポーラ美術館の子供たちを描いた「校庭」や「誕生日」、などと続いていますが、それぞれに特別な思い入れがあります。





 今回の藤田嗣治展には、上記の画の中からは、京都国立近代美術館の「タピスリーの裸婦」が来ていました。その画の中の後の壁をおおう布の模様に、麦の穂や赤いコクリコといっしょに、ブルーのヤグルマギクがブーケになって描かれているのに気がついたのが、うれしい発見でした。(プルーストの本にヤグルマギクが出てくるからです。)

 



 今回の藤田嗣治展の展覧会グッズで販売されていた「藤田画伯とねこ人形」です。
彼はエッセイの中で、ある夜部屋で何かしていると、急に猫が肩に飛び上がったので
これを描いたらおもしろいと思い、夜中かかって描いたら、評判になったと、書いて
いらっしゃいましたが、藤田の描く猫も、魅力的です。




 酷暑の昼下がりの上野公園にある東京都美術館からの帰りみち、イベント広場の方からお兄さまの声が、元気に響いているのを聞きながら、なぜかしあわせな気持ちで帰宅しました。


 



2018年8月28日火曜日

プルーストの小説は、つぶつぶオレンジジュース!!!




 8月25日の東京は、37度という酷暑でした。
 その酷暑のなか、プルーストセミナー第6回に参加してきました。




 今回の講師は、阿部公彦さん(東京大学教授)で、司会はいつものように坂本浩也さん
(立教大学教授)でした。




 阿部さんは、このプルーストの小説「失われた時を求めて」は、「つぶつぶオレンジジュース」で、読み手は無数の細かなツボにあたれば充分と言われていたのですが、私だったら無数の細かな「つぶ」に当たれば、ラッキー!と、表現したくなりました。




 わたしがこの「失われた時を求めて」を最初に井上究一郎訳で全巻読み終えてから、鈴木道彦訳、そして今回の吉川一義訳まで、読み続けてこられたのは、やはりおもしろいからなのですが、阿部さん的に言えば、このつぶつぶオレンジジュースの中の無数の「つぶ」という「ツボ」に当たるのがうれしくて楽しいことだからだと、気がつきました。

 


  これからも、この「失われた時を求めて」という「つぶつぶオレンジジュース」の「つぶ」という「ツボを求めて、この本の読書の旅」を続けていきたいと、改めて思いました。







2018年8月21日火曜日

今年の夏、最後の花火!



 8月19日の日曜日、今年の夏最後の、花火を見てきました。




 奥州街道・芦野の芦野聖天花火大会です。
 右手の中ほどには、お月さま、そして左手は、芦野石で作った屋号入りの石灯篭が写り情緒あふれる一枚が撮れました!!!




 規模は小さいのですが、67回という歴史のある手作り感にあふれた地元のかたに愛されている花火大会です。小さな街のメインストリートは、露天の屋台のお店がずらっとならび、子供たちも楽しそうでした。




「あっ、ドラエモンだ」という子供たちの歓声です。
 次は、「ちょうちょだあ」という声。




 芦野は、西行や芭蕉の句もある「遊行柳」が、有名ですが、こんな情緒あふれる花火大会も、魅力があると思いました。







2018年8月20日月曜日

プルーストのヤグルマギクのブルー




  「失われた時を求めて」6ゲルマントのほうⅡ 
          プルースト作 吉川一義訳 岩波文庫
 この本の前半に、話者が憧れていたゲルマント侯爵夫人に、初めて身近に会う場面が出てきます。




  それは、ヴィルパリジ侯爵夫人のサロンでした。話者のあこがれのゲルマント侯爵夫人の目はブルーだったのですが、こんな風に書かれています。
・-・-・-・-・
その目はフランスの午後の青い空をまるで画に描いたように映し出して広々と晴れわたり、たとえきらきら輝いていないときでも明るい光をたたえていた。
・-・-・-・-・             引用71p




そのようなブルーの目をしたゲルマント侯爵夫人は、青いシルクのスカートをまとい、ヤグルマギクの花を飾ったカノティエを被っていたのですが、話者はその帽子に飾ったヤグルマギクの花から、こんなことを連想するのでした。
・-・-・-・-・
よくその花を摘んだコンブレーの畑やタンソンヴィルの生垣ぞいに射していた遠い昔の日の光ではなく、さきほどゲルマント夫人がラ・ペ通りを突っ切ってきたとき、その通りに
ただよっていた黄昏(たそがれ)どきの匂いと埃(ほこり)である。
・-・-・-・-・             引用73p




    ヴィルパリジ侯爵夫人のサロンで出会った話者のあこがれのゲルマント侯爵夫人の姿には、ブルーの瞳と、ブルーの絹のスカート、そしてブルーのヤグルマギクの花を飾ったカノティエと、ブルーが3つも出てきます。

 ブルーといえば、フランス国旗の色でもあります。
 また、中世の頃は、聖母マリアの色、フランス王家の紋章の地の色(ロイヤルブルー)でもあり、そしてフランスの野に咲くヤグルマギクの色でもあるのですよね。




 それにヤグルマギクは話者にとっては、コンブレーで咲いていたのを摘んだこともある思い出の花なのです。

 話者があこがれていたゲルマント侯爵夫人との出会いの場面で、彼女をこの様なブルーの装いにさせたのは、プルーストの単なるおしゃれごころなのか、それとも何か特別な意味があるのか、ヤグルマギクを見る度に楽しい考えを、めぐらせてしまいます・・。

 プルーストにとって、ゲルマントという貴族の名称のイメージカラーは、もしかしてブルーだったのかもしれませんね。



 



※上のヤグルマギクの画は、プルーストの花園という下記の本の39pからの引用です。







 





 

2018年8月7日火曜日

抽象絵画のような花火!!!




 先日の日曜日、城下町白河の花火を見てきました。5000発の花火というささやかな花火大会ですが、毎年楽しみに見に行っています。




花火は、すぐにはじけて終わるのですが、写真に写して後で見ますと、まるで抽象絵画のように見えました。
 すてきですね~~!!!




 数日前にパリの古いフランス人の友人から、抽象絵画の展覧会の案内をいただいたばかりだったので、花火も写真に写してみると、アートみたい・・・・
と、しみじみ見惚れてしまいました。













 
 帰り道、線路沿いに露天のお店の明かりが一列に見えたのですが、なぜかとてもポエチックでした・・・。








2018年8月5日日曜日

七夕飾り・・





 思いがけず、こんなかわいい夢のある七夕飾りを見てきました。




 盛岡の桜山神社の七夕飾りです。
 下の写真の真ん中にありました。
 七夕の風習は、奈良時代に中国から伝わった「きこうでん」という行事や、おりひめとひこぼしの伝説、それにもともと日本の神事であった「たなばた」などが、由来といわれているようです。




 古今集にも、おりひめとひこぼしの伝説からでしょうか、こんな歌が載っています。

恋ひ恋ひてあふ夜はこよい天の川
            霧立ちわたりあけずもあらなん
                      古今集176 よみ人しらず

(恋し続けて今宵ようやく会うことが出来るので、天の川よ川霧を作って夜があけないようにして)





 盛岡への行き帰りによった仙台の駅も、8月の七夕に向けて七夕飾りがしてありました。



 仙台の七夕は、こどもの頃から見ているのですが、ピンクや黄色、緑や水色などのやさしいパステルカラーや、赤やむらさき、そして金や銀のひらひらを見るといまでも、子供心にもきれいと思ったことが記憶に蘇ります。

 七夕は、いまでも好きな行事のひとつです。