2018年9月30日日曜日

エロール・ル・カインのいばらひめ!




 先日いただいた薔薇をドライフラワーにしてみようと、窓辺に吊るしてみました。上手くできるといいのですが・・。



 
 きょうは、エロール・ル・カインの画が描かれている「いばらひめ」を読みました。
 友人からのプレゼントの本なのですが、彼女はこの絵本に描かれているエロール・ル・カインの画がとても好きなのだそうです。今年の8月に亡くなられたちびまる子ちゃんの著者のさくらももこさんも、エロール・ル・カインの画に17歳の時に感動なさったということです。




 エロール・ル・カインは1841年にシンガポールで生まれています。15歳のときに
才能が認められて英国に行き、アニメーション制作などに関わっていたそうですが、その後、1968年「アーサー王の剣」でイラストレーターとして、絵本製作をはじめています。1985年には、ケイト・グリーナウェイ賞を受賞、1989年に亡くなっているのですが、すてきな画を、絵本としてわたしたちに残してくれました。

  


この絵本の翻訳者の名前を見て、驚きました。矢川澄子さんは森茉莉さんの元担当編集者で、「「父の娘」たち」という森茉莉のことを書いた彼女の本を読んだことがあるからです。詩を書いたり翻訳もなさっているのは知っていたのですが、彼女の翻訳を読むのは、初めてなので、画と同様に文にも興味を持ちました。





  エロール・ル・カインの画は、「イメージの魔術師」とも言われているようで、とてもファンタスティックなのですが、よく見ると細部もとても緻密に描かれています。






「いばらひめ」は、有名なグリムの童話で、13人の仙女や、きれいなお姫さま、そしてそのお姫さまを救ってくれるすてきな王子さまと、定番の豪華キャストが揃っています。
    
 エロール・ル・カインは、まさにそんなお話しにぴったりのファンタスティックで豪奢な画を描いています。




 この絵本は、わたしのような大人にもぴったりで、夢の世界とはこういう世界なのだと
再認識させてくれる大人の絵本でした。

 矢川さんの文は、少し古典的に感じられたのですが、エロール・ル・カインの画には似合っているかなと思いました。




※このブログの画は、下記の本からの写真です。
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「いばらひめ」グリム童話より エロール・ル・カイン え
                やがわすみこ やく
                               ほるぷ出版

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2018年9月29日土曜日

小さい秋、見つけた!




 台風が日本列島を通過するというニュースが流れています。ここ関東地方は、明日の夜からがピークのようです。
 嵐の前の静けさでしょうか、朝のうちはくもりでしたので、いつものコースを散歩してきました。最初に目に付いた小さな秋は、「ノブドウ」でした。



ノブドウは、いつも毎年同じところに実るのですが、うすむらさきや、ターコイズブルーの宝石のような実は、うっとりと見惚れてしまうほど、すてきです。




 ガマズミの実は、真っ赤な実が特徴です。
 この実の色は、日本の国旗の日の丸と同じ色なので、日本の赤だといつも思ってしまいます。



オレンジと黄緑に色分けしてある葉っぱを見つけました。(真ん中の少し上)
 おっしゃれ~ですね!!!
 赤い実も付いていました。
 


 秋の定番の花、「ノコンギク」です。
 葉にさわってみると、ざらざらしているのでノコンギクだとすぐにわかります。




 「ツリガネニンジン」です。
  小さなベルのような花は、可愛くて魅力的です。



毎年同じ場所に、群生して咲く、「ユウガギク」
 名前を覚えたばかりの頃は、「優雅菊」とは何と優雅な名前と思っていたのですが、「柚香菊」が正しいようです。柚子の香りはしませんので、残念です。


 公園のまわりを一周して見ることができた「小さな秋」でした。

 最後に、うちの庭の小さな秋です。




 














2018年9月28日金曜日

薔薇の内部・・




 昨日、ある方が、大事に育てていらっしゃる薔薇を、いただきました。




 実は彼女は、長年のメル友だったのですが、昨日初めてお会いしたのです。
 これからは、彼女の優しい笑顔と、あの特徴のあるおっとりとなさった幼子のような声を思い出しながら、メールできるのが、楽しみになりました。

 人生には、こんな出会いもあり彼女の大好きな薔薇は、わたしのこころの思い出の薔薇にもなって、いつまでも咲いていてくれると思います。




 薔薇の花をじっと見ていると、リルケの詩を思い出しました。
 「薔薇の内部」というこんな詩です。

・-・-・-・-・
「薔薇の内部」  リルケ
                富士川英郎訳

何処にこの内部に対する
外部があるのだろう?どんな痛みのうえに
このような麻布があてられるのか?
この憂いなく
ひらいた薔薇の
内湖に映っているのは




どの空なのだろう?見よ
どんなに薔薇が咲きこぼれ
ほぐれているかを ふるえる手さえ
それを散りこぼすことがないかのよう
薔薇にはほとんど自分が
支えきれないのだ その多くの花は



みちあふれ
内部の世界から
外部へとあふれでている
そして外部はますますみちみちて 圏を閉(と)じ
ついに夏ぜんたいが 一つの部屋に
夢のなかの一つの部屋になるのだ
・ー・-・-・-・-・-・-・-・
          引用 リルケ詩集 富士川英郎訳 新潮文庫 99p~100p




















2018年9月25日火曜日

日本三大毒草・トリカブト





 散歩道に見事なトリカブトが、咲いていました。こんなに完璧な姿で咲いているトリカブトを見たのは、今年が初めてなので、びっくりしました!!!
 

トリカブトは、日本で自生しているのは、30品種あるそうですが、日本三大毒草(トリカブト・ドクゼリ・ドクウツギ)のひとつです。



トリカブトは、英語では「Monkhood」(修道士のずきん)
あるいは、「Helmet Flower」(兜の花)と言われています。

 


 日本語のトリカブトという名前にも、兜という語がついていますから、花の形が兜に似ているということなのでしょうね。



猛毒があるからなのでしょうか、ギリシャ神話の魔術の女神ヘカデーを司る花で、
地獄の番犬ケルベロスのよだれからトリカブトが生まれたとも言われているようです。



 わたしの持っている本
[The Language of Flowers]によれば、
トリカブト(Monkshood)(Helmet Flower)の花言葉は
Chivalry(騎士道)
Knight-errantry(武者修行)
だそうです。

 



2018年9月23日日曜日

秋めく日に・・





 なんとまあ愛しきいのち蜂と蝶
          那須野が原の秋めく午後に・・

                        



        牧草地の縁(へり)に咲くコセンダングサでしょうか・・
        小さなハチが一生懸命に蜜を吸っているのを見ると、
        たまらなく愛しく見えました。



        黄色のこれもとても小さな蝶が蜜を吸い、
        先ほどのハチは、右下でホバリングをしていました。





         牧草地の上に出ていた雲も、何となく秋めいていました。













2018年9月20日木曜日

彼岸花群生地・・



 昨日は久しぶりの晴天でしたので、彼岸花を見に蓑沢(美野沢)の彼岸花群生地に行ってきました。




今年の彼岸の入りは、きょうの9月20日ですから、彼岸花という名前のように、            ちょうどグッドタイミングで見頃でした。

 日に照らされて真っ赤な花がきらきらと光り、鮮やかでゴージャス!
 光の具合で、赤のグラデーションができ、遠くの方はピンクにも見えました。
 




群生地のまわりは、田の稲が黄金色に色づき、秋の午後の陽ざしの中をのんびりと
 散策するのは、とても良い気分、


 真っ青な秋空には、白い雲がひとひら浮かんでいました・・。


 
            

2018年9月17日月曜日

カレル・チャペックが見た花・・アキノキリンソウ




 カレル・チャペックの書いた「園芸家12カ月」という本に、「アキノキリンソウ」が出てきます。「9月の園芸家」のところです。



  
 チェコの作家のカレル・チャペックは、園芸も趣味だったようです。ユーモアのある文と、兄のヨゼフ・チャペックの挿絵が楽しい本です。

 彼は、ナチのプラハ進駐の少し前の1938年にチェコで亡くなっているですが、兄のヨゼフは、1945年に強制収容所で亡くなっています。




   カレル・チャペックの兄の運命のことを知ったとき、わたしがベルギーのアントワープに住んでいたころ、ベルギーの強制収容所の跡を訪ねたことを思い出しました。

 第二次世界大戦のときに、ベルギーには強制収容所が2つあったということですが、そのひとつです。そこは、第一次世界大戦のときに作られた要塞のひとつを利用したもので、堀に囲まれたコンクリートの無機質の建物でした。




 特に覚えているのは、荒れた殺風景のコンクリートの部屋の中の木のベットで、こんなところに収容されていたと思うと、たまらないほどぞっとした気持ちになるものでした。

 その収容所の見学からしばらくの間は、ショックが続いたのですが、反戦のメッセージとして、あのような建物の保存の重要性をいまでも確かなものとして感じます。

 


 この花を見る度に、最近は、カレル・チャペックの兄の運命のことや平和のことを考えてしまいます。

「アキノキリンソウ」は、一見地味な花ですが、よく見ると黄色の花をぱっと開かせて
自己主張している秋の日本の野草です・・・。


 



2018年9月15日土曜日

すてきな瑠璃色の実!!!






 散歩道のあちこちで、サワフタギの瑠璃色の実が実る季節になりました。今年の夏は猛暑だったせいもあるのでしょうか、
 目が覚めるほどに見事な瑠璃色になっていました。




 以前にもこのブログに書いたのですが、このブルーは、ラピスラズリのブルーで、フェルメールの画の「真珠の耳飾りの少女」が頭に巻いている青いターバンの色です。ラピスラズリは、アフガニスタンが主な産地の貴重な鉱物から作られた顔料で、とても高価だったとか・・。





 日本では、瑠璃(ラピスラズリ)は、仏教の七宝のひとつで、真言宗の開祖・空海は守護石としていたそうです。
  


 
 今頃の季節は、すっきりとした青空がなかなか見れないのですが、このサワフタギの瑠璃色は、あのなつかしい秋晴れの高くて深い空の色を思い出させてくれました。








2018年9月4日火曜日

今朝の一枚









 きょうは朝の6時に目が覚めました。
 いつものように冷たい炭酸水を飲みながら、庭を眺めますと、こんな景色でした。
 



 台風が来ているせいか、辺り一面にうすいもやがかかり、木々は変な感じに揺れていてまだ早朝なのに、夕暮れのようでした。

 モノトーンのようにも見え、不思議な魅力が感じられた一枚になりました。

 



ホオノキの葉っぱ



 昨日の散歩のときに、見つけたホオノキの葉っぱたちです。
 散歩道のすみの方に、落ちていました。
 拾ってみるとあまりにも、すてきなのでびっくり!



光って見えるのは、先ほどまで降っていた小雨のしずくの残りのようでした。うちの庭にもホオノキがあるのですが、まだ青々として、紅葉には程遠い感じなのに、なぜかなと不思議に思ってしまいました。




 これは、ハートの形に見えますが、わくらばでしょうか。
 まだ、緑が残っていますが、これもたまらなくすてきな葉っぱでした。

    ホオノキは、英語でマグノリアといい、直径15cmぐらいの大きな白い花を咲かせます。葉も大きく20~40cmぐらいあるので、朴葉みそを作るときにも使用されています。




黄土色の地味な色合いの中に、黄色でふちどりをした緑の水玉がかわいい葉っぱ。





  極め付きは、この葉っぱでした。
 わび・さびの極地のような深みの感じられるピカいちの葉っぱ!
 実物のすてきさが、伝わるといいのですが・・・。
 
 きょうは、朝から台風21号が来ているため、雨と風の予報が出ています。
 昨日に見たすてきな葉っぱたちも、明日はどうなっているのでしょう。
 
 日本列島に台風の被害が少ないことを、願っています・・・。