2022年2月17日木曜日

読書・「モオツァルトを聴く人」谷川俊太郎詩集・絵 堀内誠一 小学館

 


 今年は、例年になく雪が多く、昨年末からずっと、雪がとけずに残っています。ユキダルマもたくさん作ったのですが、これはかわいらしくできたので、写真に写しておいたものです。柏の葉っぱの帽子をかぶっています。




 「モオツァルトを聴く人」谷川俊太郎詩集・絵 堀内誠一 小学館を、読みました。

 2022年1月12日に発行されたばかりのほやほやの新刊です。友人から教えていただいた本ですが、最近はモーツアルトの曲ばかり聴いているせいでしょうか、読む本もモーツアルトに縁があるようです。

 この谷川俊太郎さんの詩集はおもしろい構成になっていて、詩集の真ん中に「ピアノのすきなおうさま」という童話が堀内誠一さんのユニークな絵とともに挟んであるのです。

 堀内誠一さんの絵もひょうきんで、色使いもきれい、何度見ても飽きない大人の絵本になっています。この絵本の部分だけ左から読むようになっているのもおもしろいです。




  詩は、谷川俊太郎さんの30代初めから89歳までの作品とのことですが、前半の詩には、谷川さんの母上のことがところどころにちりばめて書かれていて、お母さまへの愛が感じられました。

 夏の夜、浴衣姿の母上が、ピアノでモーツアルトのケッヘル485番のロンドニ長調を弾かれるのを聞いたのがぼくの幸せの原型と書かれていたのが、こころに残りました。

 人生のまだ最初の頃から谷川さんの人生には、音楽がありモーツアルトがあったようです。そして、モーツアルトの音楽の数小節に匹敵する詩を書きたいとずっと夢見ていたのだけれど、いくつかはあったような気がしていると、あとがきに書かれています。

 谷川俊太郎さんの詩集を読むのは、「空の青さをみつめていると」「クレーの絵本」「音楽の肖像」に続いて4冊目です。

 「空の青さをみつめていると」を開いてみましたら、何と以前に新聞から切り抜いた谷川俊太郎さんの詩を見つけました。

 それはこの本のいちばん最初に掲載されていた詩「そよかぜ 墓場 ダルシマー」だったのですが、こういう偶然があったのは、とてもうれしく感じました。この詩にご縁があったのかもしれません。



 詩をひとつ読んだり、CDを1曲聴いたりするのは、日々の暮らしとは違う時間をわたしたちにもたらしてくれると、谷川さんは文庫あとがきに書かれていますが、わたしの場合は、好きな音楽を聴いたり、好きな本や好きな詩を読むのは、人生の大きな楽しみのひとつになっています・・・。  




2022年2月13日日曜日

読書・「モオツァルト・無常という事」小林秀雄著・新潮文庫

 


  わたしは2月生まれだからでしょうか、冬晴れのすみきった青空が大好きです。こんな青空にゆっくりと白い雲が流れていくのを見ていると、晴れ晴れとした穏やかな気持ちになってきます。

 そして天空からモオツァルトの曲が聴こえてくるように感じるのは、最近、毎日のようにモオツァルトの曲ばかり聴いているからかもしれませんが・・。




 先日、吉田秀和さんの「ソロモンの歌 一本の木」(講談社文芸文庫)を読んでいましたら、彼は、小林秀雄さんの「モオツァルト」を「創元」という雑誌で読んだときのショック
は、一生忘れられな
いだろうと書かれていたのをみつけ、驚きました。

 わたしもむかし、小林秀雄さんの「モオツァルト・無常という事」を読んで、同じようにショックを受けたことがあったからです。

 小林秀雄さんの「モオツアルト・無常という事」という本は、たしか古本屋さんで買ったものを持っていたはずと思い本箱で探してみましたら、ありました!すっかり古くなってしまい黄ばんでいて、文字も小さく読みにくいので、早速新しい本を注文して読み直してみました。




 わたしが忘れられなかったのは、モオツァルトについての小林秀雄さんのこのような文でした。引用してみます。

 「僕の乱脈な放浪時代の或る冬の夜、大阪の道頓堀をうろついていた時、突然、このト短調シンフォニイの有名なテエマが頭の中で鳴ったのである。」13pから引用      

 そして、もうひとつ




「モオツァルトのかなしさは疾走する。涙は追いつけない。涙の裡(うち)に玩弄(がんろう)するには美しすぎる。空の青さや海の匂いの様に、「万葉」の歌人が、その使用法をよく知っていた「かなし」という言葉のようにかなしい。」45pと46pからの引用                                    (ト短調クインテットK516)

 モオツァルトの音楽をこのように表現することができた小林秀雄さんを、江藤淳さんは「批評美学」と言われているのですが、その批評美学の方法に吉田秀和さんもショックを受けられたのだと思います。

 さらにあとがきの解説で江藤淳さんは、この「モオツァルト」を読んだ読者は、モオツァルトのかなしい青のことを忘れないであろうとも言われていますが、わたしもその一人の読者になったのでした・・。                                  

 




2022年2月11日金曜日

サプライズを見つけた今朝の雪景色・・・

  


 朝の散歩のときの雪景色です。木々の白い雪化粧は、数時間のいのち・・。お昼すぎには、マジックは消えていました。



 見慣れたいつものベンチも雪の中で存在感を示し、絵になっていました!



 しばらく散歩していると、ヤマツツジの枝にふわふわの羽毛が、ついているのを見つけました。数年前の冬の朝、白いフクロウを見たことがあるので、フクロウの忘れ物かなと思ったのですが・・・?

 風に揺れている羽毛は、信じられないぐらいすてきで、しばらくの間、見惚れてしまいました。今年の冬のサプライズになりました!!!