2023年10月27日金曜日

読書・塩一トンの読書 須賀敦子著 河出書房新社

 


 昨年に見つけたわたしの秘密の紅葉スポットです。アカマツにからまっているツタウルシの紅葉が今年も見事でした。むらさき、ピンク、黄色、オレンジなどに赤も少し混じり、モザイクのようなパステルカラーがとてもすてき!!!

 こんなすてきな紅葉を見ると人生は美しいとさえ思えてきて、しあわせな気分になります!




 須賀敦子さんの「塩一トンの読書」を読みました。

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 「ひとりの人を理解するまでには、少なくとも、一トンの塩をいっしょに舐めなければだめなのよ」

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 須賀さんがイタリア人の義理のお母さまに教えていただいた言葉だそうです。


 

  ひとりの人を理解するのには、一トンの塩をいっしょに舐めるぐらいに長い時間がかかるということなのかと思いますが、須賀さんはさらにイタリアの作家カルヴィーノの古典の読書についての考えも紹介なさっています。

 それは、古典は読んだつもりになっていても、じっさいに読んでみると新しさにおどろくとのこと。

 そしてさらに前に読んだときとはすっかり印象までかわってしまうことがあるのは、読み手の人生経験が豊かになっていたり、読むための技術を身に着けたせいかもしれないとも、書かれています。

 



 わたしは10年以上まえからプルーストの「失われた時を求めて」を、読み続けているのですが、やはり自分の人生経験が豊かになるにつれて、新しい発見や、読書の喜びも深くなっていくのを実感しています。

   まさに「塩一トンの読書」とは、こういうことなのかなと思いました。





 







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