2018年5月5日土曜日

万葉集の植物・コナラ




 きょうの午前中の散歩は、五月晴れのすばらしい天気でした。
 空気も清々しく、ようやく芽吹きはじめたコナラの新緑がシルバーグリーンに輝いていました。



 コナラの新緑の魅力には、万葉時代の人々も惹かれていたのでしょう、万葉集の歌にも詠まれています。



 下野三毳(しもつけのみかも)の山の͡子楢(こなら)のす
      ま妙(ぐは)し児(こ)ろは誰(た)が笥(け)か持たむ

         引用 万葉集 中西進 講談社文庫(三)
              巻第十四 三四二四



  下野(しもつけ)とは、栃木県のことで、三毳山(みかもやま)は東北自動車道路からも見える佐野市にある山です。カタクリの群生地があるので人気のある山ですが、そこに
生えているコナラの木を詠っています。



下野の三毳山に生えているコナラのように美しいあの娘は、どんな男性を夫として笥(け)を持つのだろうという意味です。

 笥とは、食器のことで結婚するという意味があるのだそうです。

 

 わたしは、この万葉集の歌を三毳山に行ったときに、知ったのですが、それ以来暗記して覚えてしまった歌です。

 栃木県のコナラの新緑が、美しい娘の姿に例えられて詠われているのですから・・・。


 コナラの新緑の中を散歩していると、もうオオルリが渡ってきていて、良い声で鳴いているのが、聞こえていました。


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