2024年2月14日水曜日

読書・「星の王子さま」再び・・・

 

  2月10日は、冬晴れであたたかく、散歩日和の日でした。那珂川河畔公園では「マンサク」がもう咲いていて、黄色いリボンのようなはなびらが春を告げているようでした。



  先日、NHK・BS世界のドキュメンタリーで、「星の王子さまの誕生」を見ました。

 サン=テグジュベリは、第二次世界大戦中、フランスがドイツと講和するとアメリカに亡命したのですが、すでに高名な作家だった彼は、ニューヨークで、編集者たちに本を書くようにと勧められたようです。

 その本とは童話で、彼自身のイラストも入り、彼が不時着したことのある砂漠での経験や思索から「星の王子さま」が生まれたのでした。



「星の王子さま」の作者のサン=テグジュペリは、「夜間飛行」や「人間の大地」も書いており、その2冊も大好きな本ですが、わたしにとってはなぜか「星の王子さま」は、特別の本に感じられます。

 ドキュメンタリーを見たのをきっかけに、また読んでみました。

 王子さまの星に咲いているたった1本のばらは、だいじな愛する人であり、砂漠に住むキツネとの出会いは、絆を結ぶことの大事さ、

 そして、いちばん大切なことは、目にみえないという深い思索は、彼のこころの声で、いちばん言いたかったことなのだというのが、今回もまたひしひしと伝わってきました。



 君は君のばらに責任があり、ぼくはぼくのばらに責任がある・・これもいろいろな意味に受け取れる言葉です。

 サン=テグジュペリの友人はこのばらについて、「トニオ(サン=テグジュペリ)はフランスというばら、自由というばらを守ろうとしたのだ・・」と言っていたのが、印象的でした・・。



 1943年の4月6日に「星の王子さま」は出版されるのですが、その直前にサン=テグジュペリは、空軍に入り、翌年の1944年7月31日に偵察飛行にでかけたまま、行方不明になってしまったのです・・・・・。

 やはり、テグジュペリは、友人が言ったように、フランスというばら、自由というばらを守りたかったのかもしれません。

 王子さまの星に咲いているたった1本のばらを、特別な存在として大事に思っている王子さまの心情には、いつも共感してしまいます。

 読む人の思索がどこまでも広がっていくような「星の王子さま」は、やはり名作なのだと実感した読書でした・・。

 



 



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