2月10日は、冬晴れであたたかく、散歩日和の日でした。那珂川河畔公園では「マンサク」がもう咲いていて、黄色いリボンのようなはなびらが春を告げているようでした。
先日、NHK・BS世界のドキュメンタリーで、「星の王子さまの誕生」を見ました。
サン=テグジュベリは、第二次世界大戦中、フランスがドイツと講和するとアメリカに亡命したのですが、すでに高名な作家だった彼は、ニューヨークで、編集者たちに本を書くようにと勧められたようです。
その本とは童話で、彼自身のイラストも入り、彼が不時着したことのある砂漠での経験や思索から「星の王子さま」が生まれたのでした。
「星の王子さま」の作者のサン=テグジュペリは、「夜間飛行」や「人間の大地」も書いており、その2冊も大好きな本ですが、わたしにとってはなぜか「星の王子さま」は、特別の本に感じられます。
ドキュメンタリーを見たのをきっかけに、また読んでみました。
そして、いちばん大切なことは、目にみえないという深い思索は、彼のこころの声で、いちばん言いたかったことなのだというのが、今回もまたひしひしと伝わってきました。
君は君のばらに責任があり、ぼくはぼくのばらに責任がある・・これもいろいろな意味に受け取れる言葉です。
サン=テグジュペリの友人はこのばらについて、「トニオ(サン=テグジュペリ)はフランスというばら、自由というばらを守ろうとしたのだ・・」と言っていたのが、印象的でした・・。
1943年の4月6日に「星の王子さま」は出版されるのですが、その直前にサン=テグジュペリは、空軍に入り、翌年の1944年7月31日に偵察飛行にでかけたまま、行方不明になってしまったのです・・・・・。
やはり、テグジュペリは、友人が言ったように、フランスというばら、自由というばらを守りたかったのかもしれません。
王子さまの星に咲いているたった1本のばらを、特別な存在として大事に思っている王子さまの心情には、いつも共感してしまいます。
読む人の思索がどこまでも広がっていくような「星の王子さま」は、やはり名作なのだと実感した読書でした・・。
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