2016年5月30日月曜日

二人静とは・・・



 昨晩は雨が降ったらしく、しっとりとした
さわやかな空気の中散歩していましたら、
フタリシズカが、咲いているのを見つけました。



 
 フタリシズカとは、床しい名前ですが、 この名前の由来は、
あの源義経の愛人だった静御前からのようです。

 能の演目に「二人静」というのがあるのですが、それは
こんな話しです。

 大和国の勝手明神の神主が、正月七日の御神事に使う
若菜を摘みに行くようにと菜摘女に命じます。

 菜摘女が、菜摘川に着くと、女がやってきて、自分の霊を
弔って欲しいと頼み、その女は菜摘女にとりつきました。

 菜摘女が神社に帰りそのことを神主に話しますと、途中で
菜摘み女はとりついた女に豹変しました。



 神主が名前を尋ねると、静御前と名乗りさまよっている
自分の霊を弔って欲しいと頼むのです。

 神主は本当に静御前なら舞いを舞って見せてくれというと
女は、以前に奉納した舞いの装束を出してもらい、装束に
着替え、その静御前の霊は菜摘女と二人で、静かに
舞い始めるのでした。


 この能の中で二人が舞う姿を、この花の白い二本の花穂に
見立てたようです。

 「フタリシズカ」を見ると、静御前の白拍子姿や、哀しい彼女の
人生をいつも思い浮かべてしまいます。

 


 




2016年5月29日日曜日

青もみじのしずく・・・



 先日、雨の中、傘をさして散歩していましたら
青もみじの葉のしずくがとってもすてきなので、
しばらく、見惚れてしまいました。




 青もみじはよく見ますと、花もすでに終わり
かわいらしい竹とんぼのような実をもう
つけていました。




 この実が、くるくると風に舞ってどこかに飛んで行き
次の命をつないでいくのですよね。

 もみじが、こんなにも愛しく思えたことは
ありませんでした。

 

 







2016年5月23日月曜日

平成の森の白い小さな花



 那須平成の森に行ってきました。

 この森にはときどき行くのですが、今回は
とてもめずらしい花を発見しました。
 タニギキョウです。

      

                   ☆タニギキョウ


5ミリぐらいの小さな花ですが、咲いている姿が
あまりにも可憐でした。



 他にも、白い花は「ミヤマニガイチゴ」


                     ☆ミヤマニガイチゴ


  ツボスミレ、ニョイスミレともいいます。


                           ☆ツボスミレ


 チゴユリです。



☆チゴユリ

     
などなど、わたしの好きな白い花が咲いていて
目を楽しませてくれました。

 平成の森では、新緑の中ところどころに
ヤマツツジの朱色、トウゴクミツバツツジの
赤むらさきや、白のゴヨウツツジ(シロヤシオ)
などが咲いていました。


 こんな森の景色のなか、エゾハルゼミが季節を
告げるかのようににぎやかに、鳴いていました。



 












 
 

2016年5月20日金曜日

たんぽぽの綿毛




 ついこの間まで、あちこちで咲いていたタンポポですが
すっかりこんな感じになってしまいました。

 


   少しの風が吹けば、ふんわりと、いまにも大空に
飛び立って行きそうです。





  子規は、こんなたんぽぽの句を作っています。

☆春老いてたんぽぽの花吹けば散る
                        子規

 



 綿毛が半分飛んでしまった後は、線香花火のようにも
見えました。




2016年5月16日月曜日

まぼろしの桜山



 平泉に行ってきました。
 
 下の写真は、平泉の高館義経堂(たかだちぎけいどう)から見た
束稲山(たばしねやま)と北上川の眺めです。




  この束稲山には、安倍頼時の時代に桜の木を1万本
植えたと言われていますので桜の季節には、さぞ見事だった
と思います。

西行は平泉を2度訪ねているのですが、この束稲山の
桜を詠った歌が残っています。

☆ききもせずたばしね山のさくら花
       よしののほかにかかるべしとは
                      西行

 その後山火事があり桜は焼けてしまったということ
ですが、当時は西行も驚くほどの全山の桜だったのでしょう。





 西行が2度目に平泉を訪ねたのは、1186年で
東大寺料勧進のためでしたが、その3年後の1189年に
義経は泰衡に討たれ奥州藤原氏も滅亡してしまいます。


 江戸時代には芭蕉がここを訪ねてあの有名な俳句を
残しています。

☆夏草や兵どもが夢の跡
                                     松尾芭蕉


わたしも芭蕉と同じ高館に立って束稲山と北上川の
流れを見ていますと、藤原氏の栄華の時代や、義経のことなど
さまざまなことが、夢のように思われました。

 それにしても、藤原氏の栄華の時代には、あの束稲山には、
全山に桜が咲き誇っていたというのも、夢のようです。




 岩手の空は、から~んと晴れていて透明で、わたしの
好きな透明な水色でした。

 












 
 
 




2016年5月10日火曜日

露伴とツツジ



 きょうは、雨が降っていたのですが、傘をさして
いつもの散歩道にでかけました。

今年はヤマツツジが例年になくとてもきれいに
咲いているので、当たり年のようです。




 新緑を背景に、ヤマツツジのやさしい桃色の
グラデーションがすてきです!

 雨に濡れた花をよく見ると、雨粒がしたたり落ちていました。




 「日本の名随筆1花」という本の中で、幸田露伴さんがつつじの
ことを書かれていたのを思い出しました。

 引用してみます。
「此花咲けば其頃よりやがて酒の味うまからずなりて、
菊の花咲くまでは自ら酒盃に遠ざかること我が習ひなり。
人は如何にや知らず、我は打対ひて酒飲むべき花とは
思はず。」
      「日本の名随筆1花・宇野千代編」作品社232p




 さすが、酒大好きの露伴さんの文です。
わたしは、日本酒は飲まないので、ツツジが咲くこの季節から
酒の味が落ちるとは、知りませんでした。

 それにしても、ご自分はツツジの花を前にして酒は飲まないと
おっしゃる露伴さんには笑ってしまいました。

 ツツジの花もとんだとばっちりですね。





 
 この雨は、木々の新緑と、ヤマツツジをいっそう
美しくしてくれました。




2016年5月9日月曜日

カピバラくんにまた、会えました!!!




 2016年の春の連休最終日の8日の関東地方は、
とても良い天気でした。

 あたたかな陽ざしに誘われて、那須動物王国のカピバラくんに
久し振りに会いに行ってきました。

 カピバラくん、もう、こんな感じ・・・でした。






他のカピバラくんも、こんな風・・。




 那須高原は、いままで寒かったので、久し振りの
すてきな陽ざしだったようです。


 後ろ向きのおしりも平和そうで、キュート。
 左の写真のカピバラくんがちらっと、こちらを向いている目つきは、
 もう何とも言えません・・。



         

 カピバラくんは、熱狂的なファンが多くて人気者なので、
30分以上もなでなでなでなで・・・されているので、
この写真はその隙間を狙って、ようやく写したものです。

 



  何とも言えない表情ですね・・。


家に帰ってからカピバラくんの事を、少し調べてみました。

☆生息地は、アマゾン流域を中心とした温暖な水辺
☆性格はおだやかで人になつく
☆食べ物は、イネ科の植物(そういえば、おやつに
                 イネ科の笹をもらっていました)
☆生活は、ぼーっとしているか午後の食事時間以外は
 寝ている。
☆齧歯類では、最大の動物。


人気の秘密は、外見もですが、
おだやかな性格と
ぼーっとしているか寝ている表情が
見ているだけで癒されることなどかなあと
思いました。



 他にも、こんなにかわいい動物たちがいっぱいいました。 

☆ごまふあざらしくんです。



 


 もふもふのアルパカさん


 



 

 まだ、寝ているカピバラくん

 また、会いにきますね!








2016年5月7日土曜日

漱石のスミレ



 散歩していますと、この季節にはどこにでも
スミレが咲いています。


スミレは、小さくて可憐で好きな花です。

 漱石もスミレが好きだったのでしょうか
こんな句を残しています。

☆菫程な小さき人に生まれたし
                     漱石



 彼は菫のイメージをひっそりと野に咲く
無垢な存在として、見ていたのでしょうか・・。

 わたしはこの句を読んだとき、漱石の
魅力的な一面を見たように思いました。



 この写真は、日本中どこにでも咲くタチツボスミレです。

 漱石は多分、このような花をイメージして句を作ったのかも
しれませんね。

 スミレほどに小さく無垢で稀有な存在・・・

 
「菫程な小さき人に生まれたし」という

漱石の句がじんと心にしみます。











2016年5月5日木曜日

贅沢な時間



 久しぶりに大好きな場所、観音沼に行ってきました。

 山桜やしだれ桜が満開で、柳の新緑に映えてやさしい
色合いで迎えてくれました。




 ミツガシワもちょうど見頃で沼の中に清楚な
白い花を咲かせていました。





                     ☆ミツガシワ



 池のまわりを散歩していますと、「ぽぽ、ぽぽ」と
やさしい声でツツドリがしきりに鳴いていました。




 沼を眺めながら、お昼を食べていますと、梢にブルーの
鳥が止まっているので、びっくりしました。

 しばらく止まっていたのですが、さっと飛び立ったときに
オレンジ色のお腹が確認できました。

 家に帰ってから調べてみますと、何とルリビタキ!!
 初めて見た 鳥でした。

 観音沼は、いつもわたしに贅沢な時間を与えてくれる場所です。
 







2016年5月4日水曜日

牡丹焚火と真砂女さん



 昨日の5月3日、須賀川牡丹園に行ってきました。

 牡丹園に行くのは、昨年に続き2度目でしたが、
息を呑むようなすばらしい牡丹に会うことができました。

それは、こんな牡丹でした。



                        「暁の雪」


 「暁の雪」 というのだそうですが、純白の花びらにはほんのりと紅がさし、
きゅんとなるほどのかわいい牡丹でした。



                          「暁の雪」




 牡丹は薬草でもあるので、花びらもサラダなどにして
食べることもできるようです。




 牡丹の枯枝は集めておいて、毎年11月に「牡丹焚火」で
燃やすのですが、とても良い香りがするということです。

 この「牡丹焚火」のことは、わたしの好きな俳人・鈴木真砂女さんの
書かれたエッセイ「お稲荷さんの路地」を読んで知っていました。




 真砂女さんは、この本によれば平成4年にこの「牡丹焚火」に
招かれ、点火の役をなさったということでした。

 


 牡丹焚きは心の弾む思いであったそうで、まさに牡丹の木が
燃え尽きようとするころ、いままでの火の色とは違う
青い炎が、2つ3つと燃え上がったということでした。

 


 牡丹会館には、真砂女さんの写真入りの大きなポスターが
展示されていて、今年もまた真砂女さんにお会いすることができた
と思いながら、牡丹園を後にしました。




 





山桜に思うこと・・・



 今年は、山桜が例年になく見事にあちこちで
咲いているのを、見かけます。




 この写真はうちの近くで写した山桜ですが、
朝の光の中で、匂うように咲いていました。

 ☆敷島の大和心を人問わば
      朝日に匂ふ山桜花
                   本居宣長

 と歌ったのは、本居宣長ですが、
わたしはずっとこの歌のように朝日に匂う山桜花を
見たいと願っていました。

 それが先日この山桜を見て叶えることが
できたのでした。
 


 この歌は、軍国主義の時代に利用され
あまりにも有名ですが、この歌にも山桜にも
罪はなく、純粋に味わえば山桜のことが
宣長はほんとうに好きだったのだなあと
よくわかります。




 よく見ますと、花は2輪重なるように背中合わせに
仲良く咲いていました。