2020年1月19日日曜日
今年は子年・・
今年は、ねずみ年です。
ビアトリクス・ポターの書いた絵本の「ピーターラビット」シリーズの11冊目には、「MRS.TITTLEMOUSE」と名付けられたねずみが出てきます。
「MRS.TITTLEMOUSE」は、翻訳ではチュウチュウおくさんという名前になっていますが、チュウチュウおくさんは、きれいずきでいつも家の中の掃除をしているというキャラクターです。
この世界中で読まれている絵本の作家のビアトリクス・ポターの生涯をこの本で知ったのですが、あの時代に女性として自立して生きることができたしあわせな女性だったと思います。
ビアトリクス・ポターは、1866年にロンドンの裕福な家に生まれています。弟がひとりいたのですが、母親から友達と遊ぶことを禁じられていたためか、幼いころから動物が大好きで自宅にはカブトムシなどを集めたりして秘密の動物園なども作っていたということです。
家族とスコットランドや、イングランドの湖水地方で過ごすことがあり、田園生活を愛するようになるのですが、動物や植物の絵も描いていたようです。
1893年にビアトリクスの家庭教師だった女性の息子に、うさぎの絵の入った手紙を描いたのですが、それが後に「ピーターラビット」シリーズの絵本になったのでした。
ピーターラビットは、絵本以外にも、ウェジウッドの食器などで、世界中で親しまれています。
きょうは、ポターもきっと食べていたと思われる英国の伝統的な家庭のお菓子、スコーンを焼いて、ピーターラビットの皿にのせてみました。
英国に住んでいたころには、teatimeによく作って食べていた好きなお菓子ですが、冬の
寒い日に、まだあたたかい作り立てのスコーンを食べるのは、なつかしい味がして、幸せな気分になれます。
ビアトリクス・ポターが、英国の湖水地方で出会ったうさぎやねずみなどの小動物や
彼女の絵本で自立できた生涯を思い浮かべながらのteatimeでした・・・。
2020年1月18日土曜日
寒日和・・・
きょうはセンター試験の日で、寒い一日でした。
寒い中散歩していると、氷のような雪の中から、フキノトウが出ているのを、見つけたのですが、春の香りがしてくるようでした。
今年最初の雪の日は、1月13日の夜で、翌日の14日の早朝は、冬晴れの真っ青な空に朝の太陽が気持ちよく輝いていました。
この下の写真は、真ん中の少し右上あたりに、有明の白い月がまだ残っていました。
いつもの公園のベンチのある風景です。
新訳でプルーストを読破する14・最終回
先日の1月11日に立教大学で開かれた「新訳でプルーストを読破する」というセミナーに参加してきました。今回は、「失われた時を求めて」全14巻読破の記念すべき最後の14回目で、翻訳者の吉川一義先生のレクチャーがあり、お会いできるというのが、楽しみでした。わたしは今回も含めると9回の参加でした。
吉川先生にとってのプルーストとは、一言でいえば、
「繊細な感性に透徹した論理をそなえる」ということだそうです。
また、吉川先生は「翻訳に際して難しかったことは何だったのでしょうか?」という読者の質問に、原文の音の響きと答えていらっしゃいました.
例えば、同じ音の繰り返しが出てくる7巻の538pにあるサタンですが、吉川先生の訳は・・・
・-・-・-・-・-・-・
「ジュールはただいま戻りました、公爵さま。まもなく侯爵さまのご臨終かと、みなさま嗟嘆(さたん)のごようす。」
「おお!生きているのか」と侯爵は言って、安堵のため息をついた、「嗟嘆(さたん)、嗟嘆(さたん)ってサタンはお前だ。
・-・-・-・-・-・-・
改めてこの部分を教えていただくと、なぜかクスリと笑ってしまったのですが、同じ音の「嗟嘆」と、「サタン」を掛けて使われていて、お見事だと思いました!!!
吉川先生は、この長い10年もかかったとおっしゃる連日の翻訳の間、ひそかにこのようなユーモアのある翻訳をなさって楽しまれていたのですね。
吉川先生の、お好きな1ページは、153pの
「おのが墓へと突っ走っていたのである。」
という言葉だそうです。ここを選ばれたのは、先生のユーモアも感じたのですが、改めて考えてみると、人生の真実で、わたしたちはみなそうなのですよね。
レクチャーのあと、懇親会もあり、いままでにレクチャーをしてくださった講師の方々もいらしていて、和やかな会でした。
このセミナーに参加して、よかったことのひとつは、趣味がプルーストとおっしゃるような方々と知り合いにもなれたことでした。
それに、このプルーストのセミナーを企画し、毎回すばらしい司会をしてくださった立教大学教授の坂本浩也さんにも感謝いたします。
ありがとうございました。
そして、吉川先生もおっしゃっていたように、何よりもプルーストに感謝です!!!
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