2015年11月30日月曜日

植物・皇帝ダリア



 皇帝ダリアという花を、ご存知でしょうか?
 こんな花です。




 わたしは、名前は知っていたのですが、きょう初めて見ました。

 とても背丈が高い花で、見上げるようでした。4メートルぐらいになるそうです。

 見たのは、目白の講談社野間記念館の庭ですが、後ろに見えるのは、東京カテドラルの十字架の塔です。



  花びらは、うすいピンク色で、とても可憐な感じがしました。
 花ことばが、乙女の純潔・乙女の真心ということですので、納得です。



 
 普通、ダリアは夏に咲くのですが、この皇帝ダリアは11月~12月にかけて咲きます。

 ダリアの俳句の季語は、夏ですが、この皇帝ダリアの季語は、秋になるのでしょうか・・・?
 
 


 下の地面には、咲き終えた花びらがいっぱい散っていたのですが、蕾も大分残っているのでやはり、12月まで咲き続けるとか。

 霜がおりるまでがんばって咲いてねと、密かにエールを送ってきました!







2015年11月26日木曜日

東京散歩・ライトアップされた六義園の紅葉    心づくしの秋・・・




 六義園の紅葉を見に、行ってきました。
  
 ライトアップされた六義園の紅葉を見るのは初めてでしたが、ちょうど月も出て、見事でした。



 
 六義園は、古今和歌集の序文に出てくる歌の様の六つのことの六義から付けられた名ということですが、古今和歌集のよみ人しらずのこんな歌を、思い出しました。


 このまよりもりくる月のかげ見れば
            心づくしの秋はきにけり

                
 心づくしの秋という言葉は、とてもゆかしい表現で、そしてまた、このような見事なもみじの紅葉を見ていると、心がゆたかになってくるようにも感じました。

 紅葉もまたすばらしい自然からの贈りものだとしみじみと思います。
 




 
ライトアップされる少し前の写真ですが、池に人の姿が写っていました。


 わたしが、六義園で一番好きな紅葉スポットは、印象派の絵のようなここです。

 風ふけば落つるもみぢば 水きよみ
                    ちらぬ影さへ底に見えつゝ
     
                            みつね(古今和歌集)


  
  六義園の心づくしの秋、すてきでした。







2015年11月25日水曜日

東京散歩・みはし上野本店のクリームあんみつ



 ここ数カ月、ダイエットをしているのですが、自分へのご褒美として、先日、みはし上野本店の「クリームあんみつ」を、食べてきました。




 みはしのクリームあんみつは、品のある味わいがあり大好きです。あんは、こしあんとつぶあんを選べるのですが、今回はこしあんにしました。

 

  
 蜜と寒天
 赤えんどう豆
 求肥
 みかん
 そしてソフトクリームとこしあん

 それらが、ミックスされて不思議なおいしさです。




 クリームあんみつを、最初に好きになったのは、オランダのアムステルダムのホテルオークラで食べた時からなのですが、これぞ、日本の味だと思ったのを思い出します。





「みつ豆」は、江戸末期に、器に新粉細工と赤えんどう豆を入れて、黒みつをかけたものを、みつ豆として売られていたのがはじまりとか。

 その後、明治時代に、新粉細工のかわりに寒天を使用してみつまめにしたのがあの芋ようかんの舟和さん、

 あんを入れて「あんみつ」にしたのが、銀座「若松」さんとか・・。

 


 みはしさんのクリームあんみつは、アイスクリームではなく、ソフトクリームにしているのも好きで、こしあんと、ソフトクリームのハーモニーが何ともいえません。

 素材を吟味して作られていて、しかもクリームあんみつが、590円というのも、みはしさんのいいところだといつも思います。





2015年11月18日水曜日

東京散歩・雑司ヶ谷鬼子母神




 目白通りから、鬼子母神通り商店街に入ると都電荒川線の踏切があり、運がよければ、かわいい化粧をした都電を見ることができます。




 踏切のカンカンカンと鳴る音は、ノスタルジックで好きな音です。
 踏切を過ぎると、樹齢400年のケヤキがあるケヤキ並木に出ます。





 右手には、漫画家の手塚治虫さんが住んでいらしたことがある並木ハウスというアパートが残っていて手塚ファンのメッカにもなっているようです。

 下の写真の2階の角部屋に住んでいらしたとか・・。





 鬼子母神は、安産・子育ての神様とされていてちょうど、七五三のお参りをされているご家族もいらっしゃいました。

 鬼子母神が祀られている法明寺の絵馬は、ザクロです。
なぜ、ザクロなのかと不思議に思いお寺の方にお聞きしましたら、ザクロは実が多いからということでした。




 鬼子母神の境内には、元禄年間から続いている山口屋さんという古い駄菓子屋さんもあります。

 ここでは、すすきで作ったすすきみみずくも販売されているのですがこんなお話が残されているそうです。

 


 昔、娘が母の病気がなおりますようにと、鬼子母神に毎日お参りしていたところ、すすきのみみずくを作って売るようにというお告げがあり、娘は売ったお金で母の治療費を作る
ことができたということです。

 いまでは、郷土玩具として売られているのですが、昔はこの辺り一面にすすきの原もあったのでしょうね。

 近くには、こんなかわいいみみずくのベンチもありました。




 雑司ヶ谷の鬼子母神は、境内に樹齢700年と言われる大銀杏やけやきなどの木もあり、ほっとするいこいのスポットにもなっていました。






2015年11月15日日曜日

藤田嗣治の全所蔵作品展示!!!




  東京国立近代美術館では、いま、藤田嗣治の全所蔵作品の展示がされています。




 藤田嗣治ファンのわたしですので、早速見に行ってきました。

 MOMATコレクションから所蔵する藤田嗣治全作品25点と特別出品の1点あわせて26点でしたが、見ごたえがありました。




 五人の裸婦やタピスリーの裸婦、自画像などは、以前にも見ているのですが、こんなにたくさんの戦争画を見るのは、初めてでした。




 14点の戦争画は、いまでは戦争の悲惨さを伝える反戦画としても見ることができるのではと、ふと思ったのですが、藤田はどんな思いで、この絵を描いたのだろうと考えてしまいました。




 悲惨な戦場の画面に、ひっそりと咲いているアザミが印象的でした。
 


  
 このブログの写真の藤田の画が描いてある水色の缶は、以前に藤田嗣治展で買ったものです。

 「1954FOUJITA」と缶の下の方に書いてありますので、晩年の作品のようです。




 先日、TVの番組で、晩年に藤田ご夫妻が住んでいらしたフランスの田舎のかわいらしい家を見ました。

 そこには、子供を描いた絵も多くあったのですが、この缶の絵のように女の子や猫や小鳥、花などの絵のモチーフは、彼の晩年の境地なのでしょうか・・。

 それにしても、女の子のしぐさや猫の表情には、エスプリを感じます。



 

 

 











2015年11月14日土曜日

東京散歩・ル・コルビュジェが設計した国立西洋美術館






 上野の国立西洋美術館に行ってきました。




 国立西洋美術館の本館は、スイス生まれでフランスで活躍した近代建築の巨匠と言われている建築家のル・コルビュジェの設計です。




 1959年に建てられたそうですが、改めてじっくりと見ると、簡素だけれど、年数を経て味わいのある建物になっているなあと、感じました。




中庭には、ケヤキの大木もあり、紅葉が始まっていてすてきな空間になっていました。






美術館の常設展示は、松方コレクションが主ですが、新しくめずらしい画が今年の2015年から展示されています。

 それは、2014年にロンドンのクリスティーズのオークションで11億円で競り落とされたもので、あのフェルメールが描いたものではないかと言われている「聖プラクセディス」という画です。

 この画が本当に、フェルメールが描いたものかどうか?
そして
 誰がこの画を競り落として、この美術館に、気前よく貸し出しているのか?

 おもしろいミステリーのような気分が味わえました。

 ロダンの「考える人」にも聞いてみたいですね。(^^♪





 このル・コルビュジェ設計の美術館は、世界遺産に登録しようという動きもあるようで、公園のあちこちに幟が見られました。

 でも、世界遺産に登録されるかどうかは別にしても、ル・コルビュジェ設計の建築物が、上野に美術館として残っているのは、うれしいことだなあと思いました。




ル・コルビュジェ設計の建物と、ミステリアスなフェルメールに帰属と書かれている画「聖プラクセディス」そして、もちろん松方コレクションの数々・・・。

  上野の国立西洋美術館の魅力を再認識しました。





2015年11月9日月曜日

東京散歩・湯島天神の菊祭り




 湯島天神の菊祭りに今年も行ってきました。
 菊は、あたたかな秋の日差しを浴びて香りもよく咲いていて、訪れる人々に笑顔を向けているようでした。



 菊といえば、わたしがすぐに思いだすのは、漱石のこの句です。

「あるほどの菊抛げ入れよ棺の中」   漱石




 この句は、漱石が病床にあったときに、友人の奥さまの楠緒子さんが亡くなられたときに作られた追悼の句です。
 この女性は、漱石の生涯の恋人だったという説もあるので、そう思ってこの句をみると、しみじみといい句だなあと感じます。




 ちょうど結婚式も行われていて、純白の綿帽子を被ったお嫁さんも見ることができました。




  有志の方々が作られた菊酒と菊茶を、初めて飲んだのですが、ほのかに菊の香りがしました。




 菊酒と菊茶は、解熱、頭痛、めまいに効くそうで、邪気を払い、長命を願って飲まれるということです。ボランティアの方に菊酒と、菊茶の作り方を教えていただきました。

 菊酒は、甕に菊の花びらを袋に入れた上から、熱燗を注いで、一晩おき、菊茶は、菊の花びらを干したものを袋に入れ、熱湯を注いで作るということでした。

              

 





2015年11月7日土曜日

ドナルド・キーンさん、講演会




 秋晴れの11月4日、神楽坂の「la kagu」で開催されたドナルド・キーンさんの講演会に行ってきました。




 今年は三島由紀夫さんの没後45年、生誕90年ということで、三島由紀夫さんと生前に交流があり友人だったキーンさんに、お話を司会者の方が伺うというかたちでした。






 キーンさんが、三島さんと初めてお会いになったのは、1954年の11月で、歌舞伎座の前だったそうです。
 その時三島さんは29歳で、印象はまだ若い学生という感じだったということです。
 キーンさんは、32歳ですからお二人とも、まだ若かったのですね。




                       キーンさんの花押

 その時から三島さんが亡くなるまでの間、お二人の交流が続き、いろいろなエピソードは本にも書かれているのですが、やはり直接にキーンさんからお話を、伺うことができたのは、キーンさんのファンでもあるわたしにとっては、とても有意義でうれしいことでした。



                   神楽坂の講演会場

 講演会の司会者をはじめ、つきそわれていた息子さんも「お父さん」と、やさしく言葉をかけられていて、キーンさんに対するまわりの方々の愛情がとても感じられました。


                                                                                                  


 キーンさんは、ご自分を幸運な人生だったと本に書かれていますが、わたしもそう思います。

 子供の頃から秀才だったキーンさんが日本文学の研究を選ばれ、日本人になるのを選ばれたというのは、わたしたちにとっても、すばらしいことだと思いました。

 キーンさんは、もう93歳になられるのですが、キーンさんのご健康とご活躍をお祈りして、神楽坂をあとにしました。