2018年2月26日月曜日

猫日和



  護国寺に行ってきました。
  東京はもうすっかり春めいていて、護国寺の猫も、陽だまりでうとうとと、昼寝をしていました。



  とても良い香りがすると思って、振り向いてみると、梅の花・・。
  匂いで気がついたのは、初めてでした。

 

 白と紅色、どちらもすてきですが、今回は紅色のほうに、より惹かれました。


 お賽銭箱の横の猫も目が半開きで眠そう・・。


 こちらの猫も、陽だまりでうとうと・・。


   護国寺は、いつ訪ねても猫がいて、ほっとするのですが、厳しい冬が過ぎようとしているこの季節は、陽だまりが猫を少しだけ幸せにしているように見えました。


 彼らは、幸せなのか?
 ふと、思ってしまったのですが、
 猫も人間も同じで
 考え方次第かもしれませんね・・・・。





2018年2月20日火曜日

久しぶりのレクチャー



 
 「新訳でプルーストを読破する3」という公開セミナーに行ってきました。
      久しぶりの東京でしたが、東京はすっかり春めいていて、大学の教室で開かれたセミナ
ー会場の机や椅子に、なつかしさを感じました。




 わたしの愛読書のプルーストでしたので、いそいそと出かけたのでした。
 プルーストの「失われた時を求めて」を、お一人で全巻翻訳なさったのは、過去には井上究一郎さん、鈴木道彦さんですが、現在岩波文庫から刊行中の吉川一義さん訳のプルーストで、全巻読破しようという企画のようです。


 この立教大学で行われている連続公開セミナーは、最近ネットで知ったばかりでしたので1回目の吉川一義さんのセミナーに参加できなかったのは、とても残念に思いました。

 今回の3回目の講師は石橋正孝さんですが、彼はジュール・ベルヌ研究者として知られていて、このプルーストの本の363pの図版の発見者でもあるということです。




 石橋さんは、フィットネスクラブでプルーストの「失われた時を求めて」をフランス語の朗読CDで聞かれたということですが、わたしも以前に英語朗読で「嵐が丘」を聞いたことを思い出しました。

 わたしは、プルーストの本が好きで、井上究一郎訳、鈴木道彦訳を全巻読み、いまは吉川一義訳の11まで読んでいます。
 セミナーの課題本にもなっているのは、3ですが改めて読んでみると、思い出すことが
多く、やはりプルーストの多彩さの再確認ができ、グループで話した時間も楽しく思考をめぐらすことができたように思います。

 帰り道にこんなことを考えてしまいました。フランスにはプルーストの「失われた時を求めて」があるけれども、日本にだって紫式部の「源氏物語」があると・・・。
 でもやはり、個人的にはプルーストの方が好きかもしれません。










 




 











2018年2月15日木曜日

エリザベス女王のチョコレートビスケットケーキ




  エリザベス女王が、大好きとおっしゃるチョコレートビスケットケーキを、作ってみました。



 エリザベス女王は、このケーキが大好きで公務のときにも、このケーキをハンドバックに入れておき、召し上がるということです。

 チョコ好きなわたしとしては、あーなるほどねという納得の味でした。バターとチョコをミックスすると、トフィーのような味になるのですが、トフィーよりもシンプルでまったり感があり、やみつきになりそうな素朴なおいしさでした。

 昨年のクリスマスの時に、知人からニューヨークのおみやげにベルギーのノイハウスのプラリネをいただいたのですが、あのプラリネの味を思い出して比べてしまいました。




 プラリネが、洗練された都会のチョコの味とすれば、このチョコレートビスケットケーキの味は、素朴なママの味という感じでしょうか。

 多分こういう味は、イギリスのスコーンと同じで、ママが作ったような何物にもかえがたい味なのだと思います。

 エリザベス女王は、一切れづつ楽しみに召し上がるということですが、頷けました。


 












2018年2月13日火曜日

うさぎ、うさぎ、うさぎの足跡・・





 きょうの散歩で、うさぎの足跡をいっぱい見ました。
 早朝に、きっと、うさぎのミーティングがあったのかと思うほどでした。




  「雪の上の足跡」という堀辰雄さんのエッセイがあるのですが、それにうさぎや雉子の足跡のことが出てきます。
  「高原の古駅における、二月の対話」というサブタイトルがついているのですが、多分、軽井沢のことだと思います。




エッセイの最後の方を引用してみますね。
・-・-・-・-・-・-・-・
・・・・・・だが、けふは、君のおかげで、枯木林の中の落日の光景がうかぶ。雪の面(おもて)には木々の影がいくすぢとなく異様に長ながと横たわってゐる。どこかで頬白がかすかに啼きながら枝移りしてゐる。聞こえるものはたつたそれだけ。(そのまま目をつぶる。)そのあたりには兎やら雉子やらのみだれた足跡がついてゐる。そうしてそんな中に雑(ま)じつて、一すぢだけ、誰かの足跡が幽かについてゐる。それは僕自身のだか、立原のだか・・・・・・・。
・-・-・-・-・-・-・-・
      引用「堀辰雄集」堀多恵子編 彌生書房 196p~197p



       

 堀辰雄さんは、枯木林の落日や雪の上のうさぎなどの足跡、そして今は亡き立原道造の
足跡まで、目をつむって想像しています。聞こえるのはホオジロの声だけというのもこのような景色には、ぴったりだと思いました。




 妻の多恵子さんによれば、「雪の上の足跡」は戦後に書いた唯一で、最後の随筆だということです。

 幽かに雪の上に残る足跡は、彼の人生のあたたく懐かしい思い出だったのかもしれません。
 



2018年2月12日月曜日

室生犀星の雪




 最近、室生犀星の本や詩集を、読み直しています。
 室生犀星は、「私は抒情詩を愛する」と言っていますが、わたしも彼の抒情詩は、とても好きです。

 

・-・-・-・-・-・-・-・
      雪くる前
                 室生犀星

ひちすぢに逢ひたさの迫りて
酢のごとく烈しきもの
胸ふかく走りすぐるときなり。
雪くると呼ばはるこゑす
はやも白くはなりし屋根の上。
・-・-・-・-・-・-・-・
         引用 「愛の詩集」 室生犀星 角川文庫 90pより





 雪の降り始めの情景と、彼の切ない想いが伝わってくるような詩ですね。

 この詩は、彼が20代の後半で結婚した翌年に発表されているのですが、後年には、こんな雪の句も残されています。




 ゆきふるといひしばかりの人しづか
                    室生犀星


 彼の妻のとみ子さんは、人生の後半に長年病床で過ごされていたようなので、彼女のことを詠われたのでしょうか・・。



 
 窓の外は、今の時間は、ふわふわと風に舞っている風花のような雪になっています。

 犀星の故郷は、金沢ですから、今頃はやはり、真っ白な雪景色が広がっているのでしょうね・・・。







 
  



2018年2月9日金曜日

「プレヴェール詩集」ジャック・プレヴェール






  友人から誕生日のプレゼントに、「プレヴェール詩集」小笠原豊樹訳 岩波文庫を、いただきました。



 プレヴェールと言えば、イヴ・モンタンの歌う「枯葉」や、反戦歌「バルバラ」そして「学校から出てきたら」の歌詞を作ったシャンソンの作詞家として知っていたのですが、彼の詩集を読んだのは、はじめてでした。(この詩集にもこの3つが出ていました)

 彼の詩は、やさしい言葉で、人生や、愛、反戦の気持ち、動物に対する愛などを、綴っています。


        


 わたしは、この詩集の中で「朝の食事」という詩が印象に残ったのですが、こんな詩でした。
・-・-・-・-・-・-・-・
「朝の食事」
          ジャック・プレヴェール
茶碗に
コーヒーをついだ
茶碗のコーヒーに
ミルクをいれた
ミルク・コーヒーに
砂糖をいれた
小さなスプンで
かきまわした
ミルク・コーヒーを飲んだ
それから茶碗をおいた
私にはなんにも言わなかった
タバコに
火をつけた
けむりで
環(わ)をつくった
灰皿に
灰をおとした
私にはなんにも言わなかった
わたしの方を見なかった
立ちあがった
帽子をあたまに
かぶった
雨ふりだったから
レインコートを
身につけた
それから雨のなかを
出かけていった
なんにも言わなかった
私の方を見なかった
それから私は
私はあたまをかかえた
それから泣いた。
・-・-・-・-・-・-・-・
      引用 「プレヴェール詩集」小笠原豊樹訳 岩波文庫                  




 詩人の谷川俊太郎さんも、この詩「朝の食事」がお好きなようで、この本の後ろにこんなことを書かれていました。

 谷川さんは、最初にこの詩を読まれた時、男に捨てられた女の詩だと思い、次には兄貴に叱られた弟の詩、そして今では仲間を裏切った労働者の詩というふうに変わっていったのだそうです。

 そして、このように、いろいろな想像を読者に読ませることができるのがこの詩の魅力であり、また、この詩を詩人として読んだ場合には、容易に手が届きそうで永久に届かない詩になったとのことでした。




 改めてこの詩を読み返してみると、簡単なやさしい言葉で、さらりと日常のひとこまを切り取って書いてあるのですが、谷川さんが言われているように、いろいろな人生を想像させてくれる詩なのですね。

 もうひとつ「庭」という詩にも心惹かれたのですが、とてもプレヴェールらしい詩で、映画のワンシーンのように映像が浮かびました。これぞプレヴェールの詩ですよね。

・-・-・-・-・-・-・-・
「庭」
         ジャック・プレヴェール

千年万年の年月も
あの永遠の一瞬を
語るには
短すぎる
きみはぼくにくちづけした
ぼくはきみにくちづけした
あの朝 冬の光のなか
パリのモンスリ公園
パリは
地球の上
地球は一つの惑星(わくせい)。
・-・-・-・-・-・-・-・
    引用 プレヴェール詩集 小笠原豊樹訳 岩波文庫


すてきな詩だと思います。
好きな詩です。

 この詩集の最後に、シャンソンとして、「枯葉」が、載っていたのですが、耳慣れてるイヴ・モンタンのCDのフランス語の最初のつぶやきが聞こえてくるようでした・・。







 

2018年2月6日火曜日

白鳥の湖・・・




 
きょうも朝は、まぶしい程の快晴でした。
 お昼少し前、県北にある羽田沼(はんだぬま)に、白鳥を見に行ってきました。




 白鳥は、10月末に1週間かけてシベリアから、数千キロの距離を、越冬のために南下してこの沼に来るそうです。



 
 白鳥が1羽しかいないので、いつもここに白鳥観察にいらしている男性にお聞きしてみましたら、日中は近くの田んぼでエサやりをなさっている方のところに行っているということでした。




 前回に来たときには、白鳥のエサも近くのお店で販売されていて、エサやりができたのでたくさん見ることができたのですが、今回はミヤコタナゴ保存のために、沼の水質保全が必要とのことで、エサをあげるのは禁止になっていました。
 


 カモ類は、たくさんいて、沼の凍っているところを、よちよち歩く姿はとてもかわいらしく思いました。





 先ほどの男性の方にもう一度なぜ白鳥は1羽だけ残っているのでしょうとお聞きしてみましたら、この白鳥は仲間から仲間外れにされているようですよと、教えてくださったのですが、次々に白鳥を見にいらしてくださる見学者の方のために、残ってくれたのかなと、感謝でした。





 この沼にわたしたちが着いたころには、ぐっすりと羽根に顔をうずめて眠っていた白鳥でしたが、羽根を広げて起き上がり、沼にゆっくりと泳ぎ出して行きました。




 3月頃には、また数千キロの道のりを、シベリアまで帰る白鳥ですが、ゆっくりとこの羽田沼で過ごしていって欲しいなあと思いました。










2018年2月4日日曜日

きょうは、立春!




   きょう2月4日は、立春です!

 朝、カーテンを開けてみると、まぶしいほどの真っ青な空で、気分も爽快になりました。まだまだ、家のまわりには雪が残っていて、やはり冬の景色なのですが、少しだけ陽ざしもやわらかく感じられました。
 立春なので、つるし雛を出して飾ってみました。



 昨年のわたしのブログを見てみると、雛のつるし飾りと、うさぎの立雛だったのですが、今年は雛のつるし飾りと、竹に入っているお雛様にしてみました。どちらもわたしの手作りです。






 この雛のつるし飾りは、2010年に作ったもので、もう今年で8回も飾っています。






 自分で作るようになってから、伊豆の稲取の雛のつるし飾りや、酒田の傘福と呼ばれる雛のつるし飾りなども見に行きました。
 それぞれの土地で女の子の健やかな成長を願うにぎやかできれいな手作りの「雛のつるし飾り」を見ていると、こちらまで楽しい気持ちになったのを覚えています。



 近年、伊豆の稲取と、酒田、そして九州の柳川が三大雛のつるし飾りとして有名になっています。2008年には、第一回のつるし飾りサミットが伊豆市で、第二回は2009年に柳川市、そして第三回は2010年に酒田市で開催されたとのことです。



 それぞれの土地につるし雛のいわれがあり、いまでは土地の方がたに愛されて保存もされるようになったようですね。





 わたしの手作りのつるし雛は、赤とピンクがメインなのですが、そのせいか部屋がぱっと明るくなったようで、飾る度に、こころがウキウキしてきます!