6月に入り、散歩道や庭などに、ニガナが次々に咲くようになりました。ニガナの花びらは5枚ですが、花びらが7~12枚もあるのがハナニガナです。花びらが白いシロバナニガナもときどき見かけます。茎を切ると、粘り気のある乳液がでてくるのですが、この乳液をなめると苦いので、この名前が付いたとのこと。ニガナはゆでると少し苦いのですが、食べられるそうです・・。
茎は細くて長いので、少しの微風にもゆらゆらと揺れ、蝶が舞っているようにも見える、愛おしい花です。
「『失われた時を求めて』への招待」を、再読しました・・。
著者の吉川一義さんは、「失われた時を求めて」の翻訳者でもありますが、わたしはこの本を、立教大学で開かれていた「新訳でプルーストを読む」というセミナーに参加して、全巻読了したというなつかしい思い出があります。
最後の14巻が発行されたのは、2019年の11月15日、わたしが最後の14巻を読了したのは、2019年の12月1日で、このブログにも掲載しています。吉川さんは、ほぼ10年かけて翻訳なさったとのことですが、ご苦労に感謝します。彼の講演をお聞きしたときに、「毎日、翻訳のため机に向かうのが、日課だった」とおっしゃっていたのが、とても印象に残っています。
吉川一義さんの「失われた時を求めて」の岩波文庫版の翻訳は、端正で正確、図版も多く、注が、同じページ内にあるのも読みやすく、最後の14巻には、人名や地名、作品名が、網羅されて載っているのも、好感を持ちました・・。
吉川一義さんは、「プルースト美術館」や「プルーストの世界を読む」「プルーストと絵画」などの著書もあるプルースト研究者ですが、この「『失われた時を求めて』への招待」という本は、まさに彼の研究の成果であるプルーストの本の核心を、書かれているように思いました・・。
本の帯には、
・-・-・-・
「ついに発見された人生・・・それが文学である」-プルースト
・-・-・-・
と、書かれているのですが、この言葉の意味が、くわしく本文で説明されています。
彼は、あとがきで「プルーストの小説の大きな魅力は、登場人物たちの実に滑稽な言動にあるので、読者がみずから発見して楽しんでほしい」とも、書かれているのですが、わたしも共感でした・・。その辺のことも楽しんで読んでいますから!!
本の最後に、「プルーストとその作品に関する近年の主要な文献」がくわしく載っているのも、好感を持ちました。わたしのようなプルーストファンにとっては、ここを読むだけでも十分に楽しめますので・・。
吉川一義さんの長年の、プルースト研究の成果がよくわかる本で、彼はプルーストの研究者というよりも、むしろ「学者」と呼ぶにふさわしいと思った読書でした・・。
この本は、2021年6月に第1刷が発行されています。