2017年11月24日金曜日

澁澤龍彦のフローラ逍遥(アジサイのドライフラワー)



 澁澤龍彦さんの本「フローラ逍遥」に、アジサイが出てきます。彼は、アジサイのドライフラワーが好きで、大きな壺に入れて楽しんでいたということです。




 きょうは、散歩のときに、こんなアジサイのドライフラワーを見つけました。
  アジサイに残ったパウダーブルーの色が、夏の名残りのように感じられ、パウダーブルーと、濃いベージュの色の取り合わせがとってもおしゃれでした。




澁澤龍彦さんは、北鎌倉のあじさい寺として有名な明月院のある明月谷という谷(やと)に住んでいらしたのでアジサイの本場に住んでいるようなものだと書いていらっしゃいます。アジサイだけは、挿し木だけでもどんどん増えるそうです。




 澁澤龍彦さんはそうおっしゃっていますが、わたしの住んでいるところでも、アジサイはいたるところで、元気に生育しています。




 ところで、シーボルトですが、彼が長崎に住んでいたときの愛人のお滝さんの名前を記念して、「フローラ・ジャポニカ」のアジサイの学名をヒドランゲア・オタクサとしたことは、わたしも知っていたのですが、このことから澁澤龍彦さんは、アジサイの花には、遠く離れたところにいるなつかしい女を偲ばせるような風情があるのではないだろうかと、おっしゃっているのですが、おもしろい発想ですよね。
 


 これからは、澁澤龍彦さんがお好きだったというアジサイのドライフラワーを見る度に、このエピソードを思い出しそうです・・・・。



 
 
 







2017年11月21日火曜日

最後のもみじ・・・



 那須は、木々の葉がすっかり落ちて、いつもの散歩道は、こんな風景になってしまいました。



 こんな風景の中で、ひときわ鮮やかにもみじの紅葉がまだ残っているところがあり、目につきました。



このような光景を見ると、日本人は、昔から紅葉狩りといって、もみじの紅葉を楽しんでいたというのが、よくわかるような感じがしてきます。
 春は、桜を愛で、秋は紅葉狩りを楽しんだのですよね。




 

見わたせば花も紅葉もなかりけり浦のとまやの秋の夕暮れ
                      藤原定家朝臣

 という定家の歌がありますが、見わたせばあの華やかだった花も紅葉もすっかり散ってしまい静やかな秋の夕暮れの景色になってしまったなあという作者の気持ちが、こんなもみじを見た後では、しみじみと思われました。

 もう何度か風が吹けば、紅葉したもみじの葉も、すっかり落ちてしまい姿を消してしまうことでしょう。




 



2017年11月18日土曜日

東京散歩・肥後細川庭園の紅葉と雪吊り



 有楽町線の江戸川橋の駅から神田川に沿った桜並木の散歩道です。春の桜のころには人気スポットにもなります。


 椿山荘の裏の通りは、いつも風情があって好きな散歩道です。


 このような散歩道を15分ぐらいゆっくり歩いていくと、肥後細川庭園に着きます。まだリニューアルの途中ですが、紅葉と松の雪吊りがとてもすてきでした。



 以前には、この池にはカワセミが飛んでくるので、大きなカメラをセットして待っているファンの方がいっぱいいらしたのですが、池の水をさらってきれいにしてからは、そういう方も見かけなくなりました。
 また、カワセミくんが戻ってきてくれるといいのですが・・・。



 島には、カモが2羽いたのですが、名前は特定できませんでした。


 雪吊りが池に反対に写っていました。


 松聲閣(しょうせいかく)から見た庭の景色です。


 ここでは、抹茶とお菓子を楽しむことができます。



 近くには、永青文庫や、講談社の野間記念館、和敬塾、関口芭蕉庵などもあり、散歩には良いところです。
 それにしても、リニューアルされた肥後細川庭園はすてきになりました。好きな散歩コースになりそうです。






東京散歩・お茶の水~神保町界隈


 先日の秋晴れの午後、古本屋さんがある神保町界隈を散歩してきました。
 JRのお茶の水駅で電車を降り、丸善書店、そして、明治大学の前を通り山の上ホテルにも立ち寄りました。


 ここに来るといつも、時間が戻ったような不思議な感じになります。日光の金谷ホテルなどと同じようなやすらぎのあるほっとした雰囲気が漂っていて、好きな場所です。



 神保町の古本屋さんがある通りに行く途中に、りんご屋さんがありました。
 りんごは大好きなので、さっそく写真をぱちりと撮らせていただきました。


 木のりんご箱でしょうか。すてきにアレンジされていました。大鰐のりんごとのことでした。
 神保町の古本屋さん巡りは、ただいろいろな本を見ているだけでも楽しいのですが、ときどき、わたし好みのすてきな本に出会うことがあります。


 今回ゲットした本は、犬養孝さんの書かれた「万葉の人々」でした。
 犬養孝さんの万葉集に関する本は、大好きなのですが、右は以前にやはり神保町で買った本です。
 犬養さんのやさしい語り口で語られている万葉集に出てくる人々のお話は、やはりこころに響いてくるすてきな本でした。

 ところで、この本には、搭乗券がしおりとして挟んであったのですが、機内で読まれたのでしょう・・・。
 どなたかの人生模様がふんわりと感じられました。



神宮外苑のイチョウ並木と、焼き栗!!


 
 神宮外苑のイチョウ並木を見に行ってきました。
 平日だというのに人が多く、さすが東京都の人気紅葉スポット第一位と思いました。ここは、イチョウなので黄葉ですが・・。


 地下鉄の青山一丁目から地上に出た途端に、外国からの観光客のカップルに道を聞かれ
たり、外国からの観光客が多いようでした。


  146本のイチョウ並木が300m続いているそうですが、見上げるとイチョウの木の形が面白くまるで異次元の世界にいるような錯覚を覚えました。


 それにしても面白い形のイチョウですが、こういう形に刈り込んでいるのでしょうか?


 イチョウ並木の下には、しばワンコもいて、ポーズをとっていました。


  イチョウ並木を過ぎると、広場があり「いちょう祭り」が開催されていて、お店がいっぱい並んでいました。



 一年に一度、この丹波の焼き栗を買って食べるのを楽しみにしているとおっしゃるおばさまの後ろにわたしも並んで、おみやげに買ってきたのですが、おいしかったです。








2017年11月17日金曜日

六義園の紅葉



 東京都内2位の紅葉スポットと言われる六義園に、行ってきました。


 ハゼがあちこちで、赤くきれいに紅葉していたのですが、モミジやカエデは、まだ少し早いようでした。東京でもこのような大名庭園の紅葉を楽しめるというのは、すてきなことだなあと思います。


 まぶしいほどの晴天でしたので、ススキの穂も同じにまぶしく輝いていました。


 あちこちでちょうど雪吊りをしていたのですが、松の木にこもを巻くのは終わっていて、これは梅の花の形に結んであるめずらしいこも結びでした。



 今の季節は、どの庭園でも見かける花・ツワブキですが、日本庭園のアクセントのようで黄色がとても目立ちます。京都の南禅寺でも日の光を浴びて、光輝いて咲いていたのを覚えています。

 垣根にノコンギクが咲いていたのですが、大名庭園で見るのは、ひときわ鄙びて味わいが感じられました。


 六義園でいつもすてきだなあと思うのは、池から続いている川ですが、光線の具合で不思議な色合いを帯びてすてきに見えます。




 紅葉が進んだら、また別の色合いになるのだろうなあと思いながら、六義園を後にしました。



2017年11月14日火曜日

やさしいみ寺(雲龍院)



 今回の京都の旅は、一日目に源光庵で悟りの窓と、迷いの窓を見て感激したのですが、旅の最後の日に、もうひとつの悟りの窓がある雲龍院を、訪ねてきました。


                  ↑
 上の写真が、悟りの窓で、下が迷いの窓です。
 
 もうひとつ、面白い窓もあったのですが、こんな窓でした。
 左から、椿、灯篭、楓、松が見えました。色紙の窓とも言われているようです。
   

  このお寺には、玄関はじめ、あちこちに生け花が飾ってあり、家庭的であたたかい
雰囲気が漂っていました。






 生け花の発祥は、仏に供える仏花が始まりと記憶しているのですが、こういうお寺で生け花を見るのは、とても心が和みます。
 「何流ですか」と、受付の女性にお聞きしましたら、栄心流ということでした。


 茶室ではなく、普通の部屋のようなところで、抹茶をいただいた女性の方々が、ゆっくりとお話をなさっている姿が印象的でした。


  いままでにいろいろな庭を見てきたのですが、なぜかこのお寺の中庭にとてもこころひかれるものがありました。庭の専門家ではないのでよくわからないのですが、最初に作庭なさった方が、とてもやさしい方だったように思えてなりません。


 おおきな楓の木を中心に、杉苔の広がる庭に、踏み石を配置してあるだけの庭ですが、
なぜか、ほっとする雰囲気がありました。







  雲龍院は、皇室ゆかりのお寺ということでしょうか、つくばいや灯篭の下に、菊の御紋が見られました。

 雲龍院はとても自然体に感じられるすてきな庭と、生け花があちこちに置かれている、み寺と呼びたくなるようなやさしい雰囲気のあるお寺でしたが、この庭を眺めながら秋の穏やかな午後の時間を、縁側でゆっくりと過ごした時間は今回の旅の良い思い出になりました・・。


  
 






2017年11月13日月曜日

祇園白川散歩



  祇園の白川に沿った石畳を散歩していると、吉井勇の歌碑に出会います。

      かにかくに祇園は恋し寝るときも   枕のしたを水のながるゝ
                        吉井勇


 歌人の吉井勇は、木屋町から祇園に毎晩のように遊びに来ていたということですから、かなりの遊び人だったのでしょうね。この歌碑が建っているところは、昔は有名なお茶屋さんの「大友」があったそうです。


 白川に沿って建つ建物は、昔の面影を思わせるものもありますが、「大友」とは
どんなお茶屋さんだったのだろうなあと、いつも想像してしまいます。

 夏目漱石も晩年に、京都の木屋町に滞在していたことがあり、大友の女将の多佳さんとも知り合いだったということですが、こんな俳句を残しています。
        
           春の川を隔てゝ男女かな
                       漱石


 この辺りは、着物姿のカップルが散歩したり、人力車に乗っている姿もめずらしくありません。
 


  石畳の外れにある小さな神社は、いつも外国からの観光客の方がたに人気のスポットなのですが、その日も、振袖姿の外国からの観光客がお二人、写真を撮っていらっしゃいました。
 



 吉井勇さんが、こんな風景をご覧になられたら、きっとびっくりなさることでしょうね・・・。
 11月8日は、「かにかく祭り」もあるということです。