春の妖精(スプリング・エフェメラル)と呼ばれるキクザキイチゲが、あちこちで咲いています。花の色は、白とうすむらさきの2種類あるのですが、春風に揺れている姿は、妖精のようで、どちらの色もすてきです。
妖精といえば、アイルランドの詩人イェイツは、少年時代の夏休みに、母親の実家のあるアイルランドのスライゴーで、まわりのひとたちから、土地に伝わる妖精や伝説のお話を聞いて過ごしたという話を思い出します・・。
この詩は、イェイツがロンドンに住んでいた少年時代に、母親の実家のあるスライゴーの自然豊かなギル湖で過ごしたことが、背景にあるのだと思います。
彼は16歳のときダブリンに戻って、高校や美術学校などで学び、21歳のときにまたロンドンで暮らすようになったとのことです。
彼がこの詩を書いたのは、ロンドンですが、ロンドンの街のショーウンドウに飾られていた噴水を見て、この詩のインスピレーションが浮かんできたとのこと・・。
わたしは、噴水の流れる水音が、イェイツにとってあのなつかしい思い出のあるアイルランドのギル湖に浮かぶ小さな島イニスフリーに打ち寄せる、ひたひたという波音に聞こえたのかしらと、思ってしまったのでした・・。
彼が異国に住んで故郷をなつかしく思う気持ちや、ロンドンという都会に住んで、豊かな自然のあるイニスフリーへの憧憬の思いもよくわかります・・。さらに彼の場合には、当時はまだイギリスの植民地だったアイルランド出身という複雑で特別な母国愛もあったと思いますから・・。
湖の島イニスフリー
ウィリアム・バトラー・イェイツ (高松雄一訳)
さあ、立って行こう、イニスフリーの島へ行こう、
あの島で、枝を編み、泥壁を塗り、小さな小屋を建て、
九つの豆のうねを耕そう。それに蜜蜂の巣箱を一つ。
そうして蜂の羽音響く森の空地に一人で暮らそう。
あそこなら心もいくらかは安らぐか。安らぎはゆっくりと
朝の帷(とばり)からこおろぎが鳴くところに滴(したた)り落ちる。
あそこでは真夜中は瞬(またた)く微光にあふれ、真昼は紫に輝き、
夕暮れは紅ひわの羽音に満ち満ちる。
さあ、立って行こう、なぜならいつも、夜も昼も、道に立っても、灰いろの舗道(ほどう)に佇(たたず)むときも、
心の深い奥底に聞こえてくるのだ、
ひたひたと岸によせる湖のあの波音が。
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The Lake Isle of Innisfree
William Butler Yeats
I will arise and go now, and go to Innisfree,
And a small cabin build there, of clay and wattles made:
Nine bean-rows will I have there, a hive for the honey-bee,
And live alone in the bee-loud glade.
And I shall have some peace there, for peace comes dropping slow,
Dropping from the veils of the morning to where the cricket sings;
There midnight`s all a glimmer, and noon a purple glow,
And evening full of the linnet`s wings.
I will arise and go now, for always night and day
I hear lake water lapping with low sounds by the shore;
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