植物学者の牧野富太郎さんによれば、スイセンは、昔、雪中花(せっちゅうか)とも呼ばれていたことがあったと、いうことです。
我が家のミニスイセンも、雪をバックに、雪中花になりました。
そういえば、先日読んだ柳宗民さんの「日本の花」という本に、スイセンの興味深い話が書かれていました。
わたしは以前から、日本海側の越前海岸にニホンスイセンの群生地があるのを、なぜだろうといつも不思議に思っていました。
柳さんによれば、対馬暖流の影響で雪国でも日本海沿岸は、気候温暖なのでニホンスイセンが群生しているとのことです。そしてこのニホンスイセンは日本という名前にもかかわらず、日本原産のものではなく、中国からきたとのこと。それも中国福建省海岸地帯のスイセン群生地から、台風などで球根が漂流して越前海岸などにたどり着き、群生するようになったとのことです。
さらに、中国のスイセンは、中国原産ではなく、スイセンの原産地である地中海からヨーロッパにかけての地方から、シルクロードを通って中国に持ち込まれたということです。
柳さんは、イスラエルのゴラン高原の湿地帯に行かれたとき、ニホンスイセンと同じスイセンの花をご覧になられたとか・・・。
スイセンをたどっていくのは、ロマンのあるお話しだと思いました。
わたしにとってのスイセンは、ロンドンの公園で見た春風の中、群生して咲いていたラッパスイセンが忘れられない思い出の光景で、ワーズワースの詩、「水仙」へとつながっていく花でもあります・・。
スイセンは、日本では昔、「雪中花」と呼ばれたということですが、わたしにとっては、春を待つ「春恋花」かもしれません。
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