コレットの「シェリ」は、だいぶ前に読んだ本で、本箱に入れたままでした。最近、プルーストやアンドレ・ジッドもコレットの作品を褒めていたことを知り、また読んでみました。
読み直してみると、かなりおもしろく一気に読んでしまいました。
50歳を迎えようとする元高級娼婦のレアと、息子ほどの年齢差のあるシェリ。
レアはまだまだ魅力的で、シェリは若くて美男子・・。
そんな二人の恋が描かれています。
コレットらしく物語の設定はとてもフランス的で、恋を主題に書いているのですが、レアの心理や行動、そして会話も巧みに描いていて、最後にはレアがかっこよく二人の恋を終わらせています。
今回気づいたのは、レアやシェリがつけている香水や、リラの花などの香りの感覚、
そして、寝室のカーテンをバラ色に染めている光は、シェリの絹の純白のパジャマもバラ色にして、という表現などからの色彩感覚・・。
などなどのコレットの感性は、とても詩的に表現されていて、見事だと思いました。
この作品でコレットは、文学作品の作家としてフランスで認められたとのことを、訳者の工藤庸子さんの解説文で知ったのですが、見事な解説文を書かれています。
作品と、解説文で2度楽しめた本でした。
プルーストが褒めたのは、コレットのフランス文化ともいえる感性だったのかしらと、ふと思いました・・。
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