2021年8月22日日曜日

読書・「ジヴェルニーの食卓」原田マハ著・集英社文庫

 

 うちの庭では、うすむらさきのボルトニアが、たくさん咲き始めました。知人からいただいた花ですが、アメリカ東部が原産の花で、別名はアメリカギクとのこと。夏の暑さを吹き飛ばすような健気な花で、元気がもらえる花です。




 「ジヴェルニーの食卓」を、読みました。タイトルに惹かれて読んだのですが、この本は、むかし、ジヴェルニーにあるモネの家を訪ねたときのことを、思いださせてくれました。

 モネの庭は、想像していたよりもずっと広く、あの「水連」の咲く池や、藤の花が欄干にからまって咲く日本風の橋も絵のとおりでしたが、でも何よりも庭の花壇に咲く花の種類が多く、しかも見事に鮮やかな色彩にあふれていたのが、忘れられません・・。

 モネの家の緑やピンク色に縁どられた窓も画家の家を思わせてすてきでしたが、テーブルや椅子まで黄色で統一された食堂のインテリアも個性的で、強く印象に残っています。




 この家のしあわせそうな大きな食卓、ここでモネと家族はどんな人生の時を過ごしたのか、興味を持って読んだのでした。

 この短編の主人公ブランシュは、モネが2度目の結婚をしたアリスの連れ子です。6人の子供がいるアリスがなぜ、2人の子供のいるモネと再婚したのかそのいきさつも書かれていました。後にブランシュは、モネの最初の結婚で生まれた長男と結婚するのですが、長男が亡くなった後、ジヴェルニーに戻り、モネといっしょに暮らすようになります。

 この大きな黄色の食卓は、お料理上手だったというアリスの作ったおいしい料理を、大勢の家族でにぎやかに食べた幸せな時間を思わせますが、小説の最初にこんなモネの言葉が書かれていました。

 「私は有頂天だ。ジヴェルニーは、わたしにとって、輝くばかりにうつくしい国だ。」

 絵も認められるようになり、趣味は庭作り、経済的にも安定したジヴェルニーでのモネのしあわせな生活が偲ばれる言葉だと思いました。最初は再婚同士の大家族で、2度目の妻のアリスが亡くなった後は、義理の娘ブランシュとの晩年の穏やかな生活、それらはみなこの食卓を囲んでのものだったようです。

                    

 

 本の中には、モネが好きだったという朝食のオムレツや、デザートのピスタチオで作った鮮やかな緑色のケーキ、「ガトー・ヴェール・ヴェール」などが出てくるのですが、おいしそうでした。 

 この本には、ほかにもマティスやピカソ、ドガ、セザンヌなど興味ある画家たちのことが書かれている短編も載っているのですが、南仏に住んだマティスのエピソードもおもしろかったです。




※上の写真の黄色の部屋の食卓の写真は、ジヴェルニーのモネの家を訪ねたときに購入したこの本からのものです。↓




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