3月16日の福島沖の地震の後、3月18日は春の雪が一日中降っていました。3月に入りあちこちに顔を出していたフキノトウも、突然の雪にびっくりしたのではと思います。雪をかぶって寒そうでした。
雪の一日、内田洋子さんの著書「モンテレッジョ小さな村の旅する本屋の物語」を読みました。内田洋子さんの本は、「ジーノの家」に続いて2冊目です。
題名に惹かれて読んだ本ですが、本好きのわたしにとっては、イタリアの童話のようにも思える不思議なノンフィクションでした。
始まりは、ベネツィアの冬で、サン・マルコ広場からの抜け道にある本屋さん。
そこはベネツィアに関するあらゆる種類の古い本が並べてある古書店でした。
ベネツィアに住むようになった洋子さんは、店主のアルベルトから、曾祖父がここで書店を始めたこと、そして、家系はトスカーナ州のモンテレッジョだというのを知るのでした。
モンテレッジョは、トスカーナ州にある緑豊かな山の中にある小さな村ですが、そこの人たちは、昔、生きるためにかごに本を入れ、売りにでかけたのだとか・・。
その話を聞いた洋子さんは、興味を持ち、この村を訪ねたのでした。
モンテレッジョの本の行商人は、名家の古い本や出版社の在庫などを引き取って、廉価で販売したりしていたとのことですが、後には売れる本を出版社に教えるまでにもなったようです。
その後、本の行商人は、各地に書店を作って定住するようにもなり、その一つが最初のベネツィアの古書店なのでした。
モンテレッジョという小さな村の旅する本屋の物語は、イタリアという国の本という文化を広める担い手のひとつでもあったのかもしれませんね。
この本の著者の内田洋子さんは、2020年にイタリア・本の露天商連盟から金の籠賞の記念メダルを贈られているとのことです。
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