ツボスミレが咲き始めました。ツボスミレはスミレのなかではいちばん小さく直径が1センチもない花が咲きます。よく見るとむらさきのすじが入っていて、かわいらしくて、好きな花です。
この小さな白いツボスミレは、万葉集の歌にも詠まれていますが、こんな歌です。
♪山吹の咲きたる野辺のつぼすみれこの春の雨に盛りなりけり
高田女王 巻八(一四四四)
春いちばん最初に咲くスミレは、うすむらさきのタチツボスミレですが、この歌にあるようにヤマブキが咲くころには、ツボスミレがあちこちで咲き始めます。
高田女王も、ヤマブキの咲いている野辺をご覧になられると、春の雨のなか、タチツボスミレまで盛んに咲いていてすてきな光景だなあと思われたのでしょうね。
ヤマブキとタチツボスミレどちらも、万葉のむかしから日本の野に咲いていた花なのだと、しみじみと見てしまいました。
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