12月に入り、ヤマユリは、こんな姿になってしまいました。今年の夏も見事な大輪の真っ白な花を咲かせていたのが、夢のよう・・。
でもよく見ると、すっきりとした素地のまま、あじわいのある姿になっています。
先日、塚本邦雄さんのご子息の塚本青史さんが書かれた「わが父 塚本邦雄」を友人からプレゼントしていただき読んだばかりでしたので、久しぶりに、塚本さんの短歌の本を、読み直してみました。
この笠間書院の日本の歌人のシリーズ本の「塚本邦雄」は、島内景二さんが、塚本邦雄の短歌を50首選んで解説なさっています。島内さんは塚本さんに歌人として師事なさっていたという経緯もあり、この本でも見事な解説をなさっています。
今回、わたしが塚本さんの50首のなかで、おもしろいと思ったのは、17首目のこの歌でした。
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一月十日 藍色に晴れヴェルレーヌの埋葬費用九百フラン 塚本邦雄
034pからの引用
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ヴェルレーヌは、ランボーを愛したフランスの詩人ですが、1896年1月8日に亡くなっています。葬儀は1月10日、藍色に晴れた日で、葬儀費用は900フランだったと歌っているのです。
それだけですが、わたしにはとてもおもしろい短歌のように感じました。ヴェルレーヌは好きな詩人ですし・・。
詩人の葬儀の日は、藍色に晴れた日だったという、藍色に込めた思いも感じられました。
島内さんによれば、塚本さんは人が亡くなった忌日と誕生日に強い関心を持たれていて、数字にもこだわられていたとのこと・・。
わたしも「BIRTHDAY BOOK」を持っていて、友人や知人の誕生日や忌日も書いているので、塚本さんの忌日へのこだわりにも共感を覚えた短歌でした。
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