庭のエサ台にヒマワリの種を食べに来た「ヤマガラ」です。ヤマガラの色はよく見ると、黒と白、グレーに茶色というシックな色あいの装いで、おしゃれな野鳥です。きょうは他には、ゴジュウカラも来ました。
ケネス・ブラナウ監督の映画「シェイクスピアの庭」を、観ました。観るのはたしか、4度目ぐらいだと思うのですが、今回、特に映画の中でわたしがいちばんこころに残ったシーンがありました。
それは、晩年にストラット・フォード・アポン・エイボンの自宅にもどったシェイクスピアを、久しぶりに友人のサウザンプトン伯が訪ねてきて、ソネットをふたりで朗誦する場面でした。
暖炉の火と、ろうそくの灯りだけがふたりの顔を照らす静かな部屋で、サウザンプトン伯役のイアン・マッケランがシェイクスピアのすばらしいソネットの朗唱をしたのです!
彼のロイヤル・シェイクスピア・カンパニーで鍛えたと思われるなめらかなベルベットのような英語の発音に、わたしの脳はすっかりとろけるように、打ちのめされてしまったのでした。
早速、シェイクスピアのソネット集を、開いて読んでみたのですが、この映画に出てくるサウザンプトン伯は、この詩のモデルのひとりと思われるとのこと。
ソネットは、シェイクスピアのうつくしい若者に対するひたむきな愛と賛辞につきていて、驚くのですが、いまはすっかり老齢になったサウザンプトン伯の若いころがしのばれました。シェイクスピアは、ソネットを詠うことにより美しい若者への究極の愛を、言葉で永遠に残そうとしたのだと思います。
この映画は、シェイクスピアが、1613年にロンドンのグローブ座が焼け落ちた後、筆をおり、20年間も留守にしていた故郷のストラッドフォード・アポン・エイボンの家族のもとに帰り、そこでおくった余生の話ですが、家族に起こっていた悲劇と和解の話にもなっていました。
シェイクスピアの作品の中には、多くの植物が出てくるのですが、その植物と同じものが、いまでも保存されているシェイクスピアの家の庭や、妻のアンの実家の庭にも、植えられているとのこと。
そういえば、むかし、夏のころにアンの実家を訪ねたときに、庭にはあふれんばかりの多数の花が咲いていたのを、思い出します。
映画の中でも、シェイクスピアが庭作りに励む姿が出てきました。
監督のケネス・ブラナウも、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの出身のようですが、主役のシェイクスピアも演じており、彼のこの映画にかける意気込みも強く感じられました。
セリフには、シェイクスピアの作品からのものも多数ありますし、ソネットや詩の引用、そして凝った画面構成や、音楽、個性的な俳優など、わたしのベスト10に入る映画でした。
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