今年の夏も猛暑の日々が続いていたのですが、きょうは雨でしのぎやすい気温です。下記の写真は、先月の7月24日の朝に咲いたクジャクサボテンの花です。早朝に窓を開けると、玄関先に真っ白の大型の花が咲いていてびっくりしたのですが、夕方にはしぼんでしまいました。今年も暑さの中、咲いてくれた花に感謝しました・・。
もう大分古びてしまったのですが、好きな本があります。小塩節(おしおたかし)さんが書かれた「モーツァルトへの旅」という本です。昭和53年第一冊発行と書いてありますので、多分、古本屋さんで購入したのだと思います。
小塩さんは人生は旅で、 その途上の幼い日にピアノを習ったことで、モーツアルトに出会ってしまい、モーツアルトはその後の小塩さんの人生を豊かに広げてくれることになったとのことでした。
彼は、若い日にドイツに留学なさっており、そこで多くの友人を作られ、人生の半ばには、毎年のように学生時代の友人ご夫妻と、ザルツブルグのモーツアルトの音楽祭に、モーツアルトを聴きに行かれるようになったとか・・。
小塩さんの人生の旅は、モーツアルトに出会ったことで、より豊かに深くなられたと思うのですが、この本からは、彼のやさしい人柄と知性がにじみ出ているように感じられます。
モーツアルトもやさしい性格だったと幼い日のエピソードでも語られているのですが、やさしさとは、天性のものもあるのでしょうが、好もしい人間性に思われます。
モーツアルトの生まれたザルツブルグには、わたしも訪ねたことがあります。生家は黄色の壁の家で、街並みは店先の壁にとりつけられている看板がそれぞれかわいらしく、このような家と街で、あのモーツアルトが生まれたのだと、わたしも感慨深く散歩したのを思い出します。
最近のわたしのお気に入りのモーツアルトの曲は、「クラリネット協奏曲K622」ですが、ほとんど毎日、飽きもせずに聴いています。以前には、アシュケナージの弾くピアノ協奏曲ばかり聴いていたのでしたが・・。あのクラリネットの音があんなにも上品で典雅であるにもかかわらず、軽快で明るいところが好きになったのでした。わたしがモーツアルトを好きになったのは、多分ザルツブルグを訪ねたこともきっかけだったのかもしれません。
ザルツブルグは、オーストリアのアルプスのふもとにある街で、不順な天気の時でもアルプスの空の上にはいつも晴朗な青い空が広がっており、このようなことを土地の人たちは、ハイターカイト(ℍeiterkeit)といい、それはまた、晴ればれとした人の心の明るさも意味していると、小塩さんは書かれています。
モーツアルトの音楽も同じで、彼の孤独の魂の上には、いつも晴朗な調べがあり、そのような音楽をわたしたちに贈ってくれたのだとも・・。
この本は小塩さんのモーツアルトへの「愛の讃歌」であると、表紙に書かれているのですが、小塩さんの人生には、モーツアルトの音楽への愛がいつもあり、彼の人生を豊かに彩ってくれていたのだとしみじみと、思ったのでした・・。
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