2025年11月14日金曜日

音楽・秋に聴くブラームス・・・

 


 11月に入り、散歩道も秋が深くなりました。雑木林の木々も一雨ごとに葉を落とし、落ち葉を踏みしめる音が、かさこそと秋を告げています・・・。


 

 先日の11月9日の日曜日の朝8時過ぎに、NHKラジオを聞いていましたら、あのなつかしいブラームスの曲が流れてきたので、少しびっくりし、うれしくなりました。

 その番組は、奥田佳道さんの「音楽の泉」で、ブラームスの「ピアノ協奏曲第二番」のさわりの部分、特に第一楽章のはじめのあのなつかしいようなホルンの音色と、ピアノが答える旋律に、「あっ、ブラームスだ」と直感したのでした・・。

 その切り取られた部分の音色がまた、たまらなくすてきで、ブラームスの人柄がにじみでているようで、あたたかい気持ちになれたのでした。

 そして、その音を聴いていると、突然、むかし、ドイツの黒い森をドライヴしたときに、このブラームスのピアノ協奏曲第二番が、カーステレオから流れていたのを思い出したのです。ドイツをドライヴするのだったら、ブラームスと思って持参していたCDだったことも・・。

 あれは、多分イースターの休暇の頃だったと思うのですが、通りすぎる車の窓からは、ドイツの田舎の風景の中に、黄色のらっぱ水仙があちこちに咲いているのや、リンゴの白い花が花盛りに咲いていたのが見え、そんな早春の景色の中、なぜか途中からちらほらと小雪まで舞い始めてきたことも、絵のように浮かんできたのでした・・。

 それにしても、奥田さんのチョイスはすばらしく、ブラームスの人柄がにじみ出ていると感じられる音を切り取って、聴かせてくださったのでした。

 ブラームスの友人で 詩人のヨーゼフ・ヴィクトール・ヴィートマンは「ブラームス回想」という本の中で、ブラームスは子供好きで、特に貧しい子供に共感を示したというエピソードを書いているとのことですが、彼のハンブルグで過ごした貧しかった幼少時代を思わせます。

 子供が好きだったというブラームス、彼はクララとも、その後に好きになった女性とも結婚することなく生涯独身で暮らし、子供がいたクララの家にはいつでも自由に滞在できる友人としてクララを一生愛することができたのは、彼にとってはしあわせなことだったのかもしれないなどと考えてしまうのは、やはり秋だからでしょうか・・。

 いま、アシュケナージのピアノで、ウィーンフィル、指揮者は、ベルナルド・ハイティングのブラームス・「ピアノ協奏曲第二番」のCDを聴きながらこのブログを書いているのですが、このCDは、あの日ドイツのブラックフォレストでドライヴしながら聴いた古いCDなのでした・・。

 秋にはやはり、ブラームスが似合っているように感じます・・・。



 

 


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