10月に散歩道で写した、ウリハダカエデの紅葉です。黄色からオレンジ色にかわる紅葉のグラデーションがすてきで、まるで絵本の表紙のようにすてきな構図になっていました・・。
「ユリイカ」という1987年発行の古い雑誌を持っています。それには「プルーストの総特集」が載っており、大事にしている本です・・。
どこを読んでもプルーストファンのわたしにとっては興味深く、わたしのお気に入りのプルースト関連本の1冊です。
その中でも特に、吉田城さん編訳の、レーナルド・アーンの「散歩」という短いエッセイが、好きです。
レーナルド・アーンは、一時プルーストと恋愛関係だったとのことですが、その後は、ずっと生涯の親友でした。そのアーンが、「散歩」というエッセイの中でプルーストについてこんなことを書いています。
アーンがプルーストと知り合って間もないころ、二人で女ともだちの田舎の家で、数日いっしょに過ごしたことがあったそうです。
二人で庭を散歩していたとき、プルーストは突然、咲いていた「ベンガル薔薇」の前で立ち止まり 、アーンに先に行ってくれるようにたのみ、しばらくじっと薔薇を見つめていたとのこと。
その姿はアーンにとって忘れがたく、そのようなことは、それ以後も何度もあったのだとか・・。
アーンは、このような時のプルーストのことを、
「自然と芸術と人生と、完全に交感した瞬間」で、
それはまさに
「神がかりのような状態に入ること」
であったと、書いています。
アーンの短いエッセイですが、わたしの記憶に残るプルースト像です。
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