♪秋きぬと目にはさやかに見えねども
風の音にぞおどろかれぬる
古今和歌集の秋歌上の最初に出てくる
藤原敏行朝臣の和歌です。
「秋立つ日よめる」と詞書にありますので、立秋の
頃に詠ったのでしょうか。
それにしても今年の夏は、猛暑でした。
8月8日が立秋だったのですが、その日を境に
少ししのぎやすくなった感じがします。
猛暑の間中、わたしをなぐさめてくれたのが
庭にある「ヤマナラシ」でした。
ヤマナラシは、少しでも風が立ちますと
「さらさら」と、さわやかな音をたててくれました。
さらさらと音のする方を見ると、いつもヤマナラシが
いちばんに風を、受けて知らせてくれるのでした。
この古今集の秋きぬと・・の和歌の前には、夏の最後の歌が
載っています。
♪夏と秋と行きかふそらの通路(かよひぢ)は
かたへすゞしき風やふくらん
行く夏と来る秋とが空の通路ですれちがうということ
でしょうが、発想がおしゃれですね。
ヤマナラシ Poopulus sieboldii
(山鳴らし)
別名 ハコヤナギ
ヤナギ科ハコヤナギ属(落葉高木)
日あたりのいい山地に生え10~25mになる。
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