昨日は、台風が関東地方を通り過ぎていきました。
きょうは午前中の、つかの間の晴れた時に、散歩したのですが、あちこちで、うすい紫色のツリガネニンジンが、咲いていました。
立原道造が、詩の中で、「うすい紫の花」と書いているのはこのツリガネニンジンの花のことかなと、ふと思いました。
ツリガネニンジンとは、花の形を釣鐘に、太い根をチョウセンニンジンに例えたということですが、何ともいえず、かわいらしい花の形です。
立原道造の詩に出てくるのは、「V また落葉林で」という詩の中です。
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V また落葉林で
いつの間に もう秋! 昨日は
夏だつた・・・・・・おだやかな陽気な
陽ざしが 林のなかに ざわめいてゐる
ひとところ 草の葉のゆれるあたりに
おまへが私のところからかへつて行つたときに
あのあたりには うすい紫の花が咲いてゐた
そしていま おまへは 告げてよこす
私らは別離に耐へることが出来る と
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引用 立原道造詩集 角川文庫 42p
引用させていただいたのは、「うすい紫の花」が出てくる詩の前半です。
立原道造は、信州の高原を愛していて、度々訪れていたようですから、このうすい紫の花を見たのも、ちょうど今頃の季節だったのでしょうか・・。
彼は高原と雲や風、そして高原に咲く花々を愛した詩人ですから、きっとこの花も好きだったことと思います。
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