レンゲショウマが咲きはじめました。
レンゲショウマは、日本特産の1属1種の気品ある花で
大好きな花です。
レンゲショウマを初めて見たのは、三ツ峠でしたが
山道にこぼれるようにうつむいて咲いていた楚々としたその姿は
いまでもまだ、忘れることができません。
それ以来、あの平安貴族の女性を思わせるような
レンゲショウマは、わたしの好きな花のナンバーワンになりました。
わたしは、以前から歌人の式子内親王が好きだったのですが、
この花は、なぜか彼女を思わせます。
新古今集に出てくる彼女の歌です。
☆夕立の雲もとまらぬ夏の日の
かたぶく山にひぐらしの声
式子内親王(新古今集・夏・268)
きょうのこちらもはげしい夕立があったのですが、その後
気温もぐっと下がりました。
そして、雨があがるとひぐらしが鳴きはじめ、この歌と同じ情景に
なりました。
式子内親王は、後白河天皇の第三皇女として誕生しています。
5,6歳の頃、斎院にト定(ぼくじょう)されるのですが、
11年間の斎院生活の後、病気で斎院退下された後は、
生涯独身で過ごされたようです。
☆浮雲を風にまかする大空の
行方も知らぬ果ぞ悲しき
式子内親王(前小斎院御百首)
なぜか、胸がきゅんとする歌ですが、平安時代末期に生きた彼女の人生は
どのようなものだったのかしらと、この花を見る度に、いつも思われます。
この花のようにはかなげに見えても、凛とした生き方だったのでしょうか・・。
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