2016年8月3日水曜日

わたしの好きな花・1



  レンゲショウマが咲きはじめました。
  レンゲショウマは、日本特産の1属1種の気品ある花で
大好きな花です。



  レンゲショウマを初めて見たのは、三ツ峠でしたが
山道にこぼれるようにうつむいて咲いていた楚々としたその姿は
いまでもまだ、忘れることができません。

 それ以来、あの平安貴族の女性を思わせるような
レンゲショウマは、わたしの好きな花のナンバーワンになりました。





  わたしは、以前から歌人の式子内親王が好きだったのですが、
この花は、なぜか彼女を思わせます。

 新古今集に出てくる彼女の歌です。

☆夕立の雲もとまらぬ夏の日の
      かたぶく山にひぐらしの声
                         
                 式子内親王(新古今集・夏・268)

 きょうのこちらもはげしい夕立があったのですが、その後
気温もぐっと下がりました。
 そして、雨があがるとひぐらしが鳴きはじめ、この歌と同じ情景に
なりました。





 式子内親王は、後白河天皇の第三皇女として誕生しています。
 5,6歳の頃、斎院にト定(ぼくじょう)されるのですが、
11年間の斎院生活の後、病気で斎院退下された後は、
生涯独身で過ごされたようです。


 ☆浮雲を風にまかする大空の
             行方も知らぬ果ぞ悲しき
 
                    式子内親王(前小斎院御百首)


 なぜか、胸がきゅんとする歌ですが、平安時代末期に生きた彼女の人生は
どのようなものだったのかしらと、この花を見る度に、いつも思われます。

 この花のようにはかなげに見えても、凛とした生き方だったのでしょうか・・。

 
   


0 件のコメント:

コメントを投稿