今年の秋は、ウリハダカエデやもみじの紅葉が例年になくチャーミングですてきなのですが、コナラの黄葉も始まりました。
この季節になると、ブラームスのあのやわらかくあたたかいクラリネット五重奏曲が懐かしくなり、聴きたくなります。
散歩から戻った後に、ブラームスの「クラリネット五重奏曲」をCDラックから
出して、早速、聴いてみました。
クラリネットのあのこころをやさしくするようなあたたかい音色は、コナラの黄葉や
一面に散り敷いた枯れ葉のじゅうたんの風景にぴったりです。
吉田秀和さんは、「わたしの時間」という本で、ブラームスの「クラリネット五重奏曲」についてこう書かれています。
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「あの晩秋の憂鬱と諦念の趣きは実に感動的で、作者一代の
傑作のひとつであるばかりでなく、十九世紀後半の室内楽の白眉に
数えられるのにふさわしい。」
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引用・「私の時間」吉田秀和著・中公文庫・75p
多分、以前に読んだこの吉田さんの言葉が、頭のどこかに残っていたのだと思います。
吉田さんは、「音楽の光と翳」という本で、ザルツブルグで聴いたブラームスの三重奏の音のことをこんな風にも書いていらっしゃいます。
「ブラームス特有の、あの思い出の香りがいっぱいつまった
ような歌で始まる。」
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引用・「音楽の光と影」吉田秀和著・中公文庫・123p
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