2016年11月15日火曜日

リルケの「秋」





   今朝、起きて外を見ましたら、一面の落葉でした。
 季節は秋から、晩秋へと確実に移ろっているようです。




  こんな落葉の季節に、ぴったりの詩を見つけました。
 リルケの「秋」という詩です。

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      秋
                    リルケ

木の葉が落ちる 落ちる 遠くからのように
大空の遠い園生(そのふ)が枯れたように
木の葉は否定の身ぶりで落ちる

そして夜々には 重たい地球が
あらゆる星の群から 寂寥のなかへ落ちる

われわれはみんな落ちる この手も落ちる
ほかをごらん 落下はすべてにあるのだ

けれども ただひとり この落下を
限りなくやさしく その両手に支えている者がある

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            リルケ詩集・富士川英郎訳・新潮文庫

   




木の葉が、否定の身ぶりで落ちても
地球が寂寥の中に落ちても
われわれさえもみんな落ちても
それでも
それを支えるやさしい両手がある・・・

リルケのやさしい視点が、感じられます。

リルケにこんなすてきな秋の詩があったのですね・・・・。




 落葉が一面に散り敷いている道を、かさこそと落葉を踏んで歩くのは、気持ちが豊かになるようでした。










      

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