2017年10月7日土曜日

茂吉のアケビ



 きょうは、散歩の途中で、うすむらさきに熟れた見事なアケビに
出あいました。
 

  アケビの実ふたつに割れてそのなかの
        乳色なすをわれは惜しめり
                       斎藤茂吉
 
という茂吉の歌がありますが、割れた実の中を覗きますと、乳色の実が
見えていました。


アケビは、2種類あり、うす茶色の実が「アケビ」で
うすむらさきに実が色づくのは、「ミツバアケビ」です。

 茂吉が短歌で詠ったのは、このうすむらさきになる「ミツバアケビ」
だと思います。


 
 斎藤茂吉は、山形県生まれですが、子供の頃に過ごした生家辺り
では、「アケビ」が、いっぱい採れていたのだろうと思います。
 アケビの花や実をいくつも詠っています。



 あけびの実我がために君はもぎて後
        そのうすむらさきを食ひつつゐたり

                  斎藤茂吉

 


 あけび一つ机の上に載せて見つ
        惜しみ居れども明日は食はむか
                       斎藤茂吉


 故郷の秋の味覚のアケビを、最初は見て楽しみ、その後に
ようやく惜しみながら食べるという子供のような茂吉の姿が
目に浮かぶような歌です。

 茂吉の故郷の山形でも、今頃はうすむらさきのアケビが、いっぱい
実をつけているのが見られると思います。







0 件のコメント:

コメントを投稿