きょうは、散歩の途中で、うすむらさきに熟れた見事なアケビに
出あいました。
アケビの実ふたつに割れてそのなかの
乳色なすをわれは惜しめり
斎藤茂吉
という茂吉の歌がありますが、割れた実の中を覗きますと、乳色の実が
見えていました。
うすむらさきに実が色づくのは、「ミツバアケビ」です。
茂吉が短歌で詠ったのは、このうすむらさきになる「ミツバアケビ」
だと思います。
斎藤茂吉は、山形県生まれですが、子供の頃に過ごした生家辺り
では、「アケビ」が、いっぱい採れていたのだろうと思います。
アケビの花や実をいくつも詠っています。
あけびの実我がために君はもぎて後
そのうすむらさきを食ひつつゐたり
斎藤茂吉
あけび一つ机の上に載せて見つ
惜しみ居れども明日は食はむか
斎藤茂吉
故郷の秋の味覚のアケビを、最初は見て楽しみ、その後に
ようやく惜しみながら食べるという子供のような茂吉の姿が
目に浮かぶような歌です。
茂吉の故郷の山形でも、今頃はうすむらさきのアケビが、いっぱい
実をつけているのが見られると思います。
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