「蕗のとうことしもここに蕗のとう」 山頭火
3月に入ってもまだまだ風が冷たいのですが、散歩していますと、フキノトウがあちこちに顔を出しているのを、見つけることができるようになりました。
そんなとき、山頭火のこの句がすぐに思い出され、わたしもまた、今年もここに蕗のとうと思わず言ってしまうのです。
そして、この「さみどりの春の妖精」が、枯れ葉の間から顔を出しているのを見ると、山にも本格的な春が来るのだと、いつもうれしくなります。
フキノトウは、ほんとうはもう1月ころから雪の中に、こんな風にかわいい蕾を出しているのですが・・。
ところで、フキノトウとは、フキの花芽のことで、雌雄があり、フキは英語では、「Japanese Butterbur」というそうです。平安時代にもすでに食べられていたということなので、やはり早春のほろ苦い味として、人気があったのでしょう・・。
花言葉は「愛嬌」・「仲間」・「待望」の3つで、待望は春を待つということだとすぐにわかるのですが、「愛嬌」と「仲間」は、花を見るとすぐにうなずけました。こんなにかわいい「愛嬌」のある「仲間」がいっぱいの花なのですから・・。
ちくま文庫の「山頭火句集」を開いてみますと、フキノトウの出てくる俳句はまだまだいっぱいありました。
「あるけば蕗のとう」 山頭火
「山ふかく蕗のとうなら咲いてゐる」 山頭火
「ほろにがさもふるさとの蕗のとう」 山頭火
「いつも出てくる蕗のとう出てきてゐる」 山頭火
「一つあると蕗のとう二つ三つ」 山頭火
「蕗のとうことしもここに蕗のとう」 山頭火
「ひっそり蕗のとうここで休まう」 山頭火
全部、山頭火の俳句ですが、わたしは、やっぱり「蕗のとうことしもここに蕗のとう」が、いちばん好きです!
人生を辛くて厳しい行乞流転で生きた山頭火もフキノトウが出る春を、きっと楽しみに待っていたのだろうと思うから・・・。
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