友人からの紹介で読んだ本です。モーツアルトなど音楽家についての堀内誠一さんのエッセイと絵、それに音楽家についての谷川俊太郎さんの詩を添えたおしゃれな上質の大人の絵本でした。
わたしが、その中でいちばん好きなのは、モーツアルトについての堀内誠一さんのエッセイでした。とくに最初の文
「大陸の空は変わりやすくてジュピターが遊んでいるよう」
には、そうだそうだと思わずほほえんでしまいました。わたしもヨーロッパには10年以上住んだことがあり、この気まぐれな天気には驚いたことが何度もありましたので・・。
この気まぐれな天気のことを、堀内さんは、モーツアルトの交響曲41番の「ジュピター」と、ローマ神話の気象を司る神「ジュピター」にかけて、ジュピターが遊んでいると粋な言葉で、語られています。
堀内さんは、モーツアルトには、こんな絵を添えていらっしゃるのですが、(上の写真です。)中央には神童と呼ばれた頃にクラヴィアを弾くモーツアルト、後ろにはヴァイオリンを弾く父のレオポルト、そして譜面の後ろには、姉のナンネルの姿も見えます。黄色と緑と赤のグラデーションがすてきで堀内さん独特のタッチの世界になっています。
モーツアルトに添えた谷川俊太郎さんの詩は、彼のモーツアルトの音楽への愛がしみじみと感じられるこんな言葉で綴られています。
「人を愛することの出来ぬ者もモーツアルトに涙する」
わたしは、ショパンやブラームスも好きなのですが、モーツアルトの音楽は一番好きかもしれません。この本は、堀内さんの独特の色彩の軽いタッチの絵、そして、谷川俊太郎さんの詩も楽しめるすてきな本でした。
午後のお茶の時間に、大好きなCD、アシュケナージの弾くモーツアルトのピアノコンチェルト19をBGMに、この本を読むのは、至福の時間になりました・・。
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