2026年1月7日水曜日

読書・「プルースト評論選 Ⅰ文学篇」マルセル・プルースト著 穂刈瑞穂…選 ちくま文庫

 

  散歩道では、サルトリイバラや、ノイバラの赤い実は、もうすっかり姿を消してしまい、もういまでは、こんなヘクソカズラの飴色の実だけが、残っています。

 見慣れているヘクソカズラの実ですが、よく見ると、色もシックで茎の造形もすてきなことに気づきました・・。

 


  「ブルースト評論選Ⅰ文学篇」穂刈瑞穂選 ちくま文庫を昨年の12月からランダムに再読しています。この本は、わたしの本箱でいつも見慣れているのですが、発行年を見てみると、2        002年に第一刷と書いてありますので、もう20年以上も前に購入したもので、愛着のある本になっています。

 この本の選者の穂刈瑞穂さんは「あとがき」で、こう書かれています。「失われた時を求めて」を読んだ読者に、今度は批評家プルーストの魅力を発見してもらえるように、プルースト全集の中から特に読んでもらいたいものを選ばれたとのこと。
 翻訳者は評論ごとに、穂刈瑞穂さんをはじめ、吉川一義さん、鈴木道彦さんなど、6人の方々です。

 わたしもいつも思っているように、すぐれた小説家はすぐれた評論家でもあるということが、再確認できるプルーストの文学の秘密のようなものが、いっぱいつまっている本で、推理小説でなぞときをするような気分で、読み直したのでした。





 わたしは、前回もそうでしたが、今回も、「プルーストによる『スワン』解説」のなかのプルーストのこんな言葉に惹かれました・・。

 357pからの引用です。
・-・-・
「文体というものは、ある人びとが考えているのとちがって、いささかも文の飾りではありません。技術の問題ですらありません。それはーー画家における色彩のようにーーヴィジョンの質であり、われわれ各人が見ていて他人には見えない特殊な宇宙の掲示です。一人の芸術家がわれわれに与える楽しみは、宇宙を一つ余分に知らせてくれるということなのです。」
・-・-・

 芸術家にとって大事なものは、「ヴィジョンの質・・」であり、
 それは「特殊な宇宙の掲示である・・」

 しびれてしまうようなすてきな言葉です・・!

 また、

 「一人の芸術家がわたしたちに与えてくれる楽しみは、宇宙を一つ余分に知らせてくれること・・。」

 これも、すてきです!






 わたしのような読者にとって、プルーストを読むということは、まさにこういうことなのだと、再認識させてくれる本なのでした・・。

 また、プルーストは本についてこのようにもいっています。

引用195p「サント=ブーヴに反論する」から
・-・-・
「優れた文学書の場合は、読み手の側のどんな誤読も、すべて美しいという風になってしまう。」
・-・-・

 「誤読を恐れずによみましょう」という言葉は、立教大学で開かれたセミナー「新訳でプルーストを読む」でも聞いた言葉ですが、ここにプルーストの言葉として書かれていたのでした・・。

 プルーストの評論は、あちこちにこのような宝石のような言葉が、ちりばめられていて、読者を楽しませてくれる本でもあったのでした・・。 







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