2016年7月25日月曜日

九条武子の水引草の紅・・・




 庭の茂みの中に「ミズヒキ」が、咲きはじめました。

          

 
 ☆あるかなきか 茂みのなかに かくれつつ
               水引草は 紅の花もつ

                     九条武子


 九条武子の歌集「白孔雀」の中に出てくる歌ですが、
なまめかしいようなちょっとおしゃれな雰囲気のある
歌だなあと、思いました。

 その花が昨日、うちの庭先で咲き始めたのを見つけて、
うれしくなりました。



  ミズヒキは、楚々として咲く、小さな赤い花ですが、九条武子さんは
その花を、紅という言葉で、つやっぽい艶な存在として表現なさっています。

 


 ミズヒキは、よく見ると、水引きという名前のように、
細い茎についた花穂を上から見ると赤、下から見ると白で、
紅白になっているのです。

 厳密に言えば、花弁はなく、萼片が4個あるのですが
卵の形で赤く、下部が白いのです。

 紅が艶とすれば、白は清楚でしょうか・・・。

 九条武子さんは、ミズヒキの花を紅(べに)という言葉で
艶を表現なさったのですが、もしかしたらこの花は、
白の清楚もあわせもつというのをご存じだったのかも
しれません。




☆あるかなきか 茂みのなかに かくれつつ
             水引草は 紅の花もつ

                          九条武子

 
 好きな歌のひとつになりました・・・。





 

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