永青文庫で、良寛の書を見てきました。「心のふるさと良寛」というタイトルで、良寛の書約100点が展示されていました。
良寛の書のことは、白洲正子さんのエッセイや彼についての本を読むたびに、是非実物を見たいと思っていたのですが、念願が叶いました。
「永青文庫の季刊誌・良寛」から
わたしは、書については何も知らないのですが、彼の書を見ていると、のびやかで心が
軽くなるような感じがしました。
わたしがいちばん惹かれたのは、屏風に書かれた書で、まるで前衛絵画を見ているようでいつまでも見ていたいと思うほどでした。
家に戻ってから、中野孝次さんの著書「風の良寛」を、読み直してみました。良寛さんって、すてきだなと思ったエピソードが書いてあります。
それは、無為ということについてです。良寛さんが分水町牧が花(いまの燕市)にある豪農の解良家に滞在していたとき、その家に住む人々がみな和やかで清いこころになったということです。良寛さんは経文を説くのでもなく善を勧めるのでもなく、ただ台所で火をたいたりして過ごしていただけだということなのですが・・。
存在自体だけで人々に良い影響を与えることができる人がいるということ、そしてそういう人物が、こういう書を書くのだと改めて思いました。
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