2018年7月4日水曜日

雨の連想・・・




 きょうの散歩は、先ほどまで降っていた雨も止み、雨上がりの良い匂いが辺り一面に漂っていました。青もみじにも、まだ、雨のしづくがいっぱいついていました。





 雨に濡れているもみじを見ていましたら、竹西寛子さんの書かれた「式子内親王 永福門院」という本の中にこんな歌があったのを思い出しました。

「しをりつる風は籬(まがき)にしづまりて小萩が上に雨そそぐなり」
                            永福門院




この歌は、もみじではなく萩なのですが、こんな情景が思い浮かびます。草木をしおらせるように吹いていた風も、垣根の辺りに静まって、いまは萩のうえに雨が降り注いでいます・・。





 ただそれだけの歌なのですが、切り取った情景の中にかすかな雨の音も聞こえるようで、この歌を作られた永福門院の美意識が、感じられました。
 
 竹西さんによれば、この歌を作った永福門院は、太政大臣西園寺実兼の長女として1271年に生まれ、1288年に17歳のときに伏見天皇の女御として入内、その後すぐに、中宮になられ、1298年の伏見天皇譲位に際して、永福門院という院号を受けられたということです。



 永福門院の歌は、700年以上も前に作られたのですが、時代を越えて残っているのは、改めてすごいことだと、思いました・・・。
 式子内親王は、以前から好きな歌人だったのですが、永福門院も好きな歌人になりました。




「しをりつる風は籬(まがき)にしづまりて小萩が上に雨そそぐなり」
                            永福門院







 




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