きょうは、11月の最後の日です。もうすっかり木々も葉を落としているこんな時期に、見事なもみじの紅葉を残している場所がありました。
近づいてみますと、倒木の上にもみじの枝が差し掛かりこんな風情になっていました。
黄色から桃色、そして薄紅色へと、やさしい色合いのグラデーションを見せているもみじは、そこだけスポットライトをあびたように、輝いて見えました。
もみじを見にいくことを、紅葉狩(もみじがり)というのですが、能にも「紅葉狩」という曲があります。学生時代に能の仕舞いで友人が舞った「紅葉狩」を思い出しました。
♪時雨をいそぐもみぢ狩り、深き山路を尋ねん~
これは、「紅葉狩」という能の謡曲に出てくる言葉ですが、実は新古今集の摂政太政大臣(藤原良経)のこの歌に由来しているとのことです。
♪立田姫いまはのころの秋かぜにしぐれをいそぐ人の袖かな
立田姫は、秋の女神で紅葉を司っているそうですが、もう去って行こうとしてる頃で
秋風といっしょに時雨を降らせて、人の袖を染めようとしているというような意味なのでしょうか。
能の「紅葉狩」には、山の中で紅葉狩りの宴をしている妖艶な美女が出てきます。この美女が、鹿狩りで通りかかった平維茂(たいらのこれもち)を誘惑するのですが、実は鬼女なのでした。平維茂は、鬼女を神剣で退治してこの物語は終わります。
このようなもみじの紅葉を見ていると、なぜか「紅葉狩」の物語の世界に引き込まれて
しまいそうでした・・・。
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