「新訳でプルーストを読破する」というセミナーも8回目になりました。会場の立教大学のキャンパスはもうクリスマスの飾りがしてあり、夕方にはこんな感じになっていました!
今回の講師の野崎歓さんのお話しは、とてもおもしろく聞かせていただきました。
プルーストの作品は映画として書かれている・・しかも最先端の映画・・・
プルーストのまなざしは、絵・・・
トリック撮影でまなざしをイリュージョンしている・・・
351p「こころの枯渇のところ」
主人公(マルセル)の存在は木・・・
木は水(涙)でうるおされる・・・
など、彼の視点はおもしろかったです。
「リンゴの木の描写」のところです。
紺碧の空のもと、リンゴの木々が豪華に花盛りの姿を見せていて
遠くに見える海は、日本の浮世絵に描かれた遠景のようであり
おびただしい数のシジューカラが飛んできて枝に止まり、花の間を
飛び回っている・・
この美しさが涙をさそうほどに心を打つのは、フランスの農夫たちのように、
フランスの野原に立っていると実感されるから・・・
この景色は、やがてくる驟雨の中でも花盛りの美しさを掲げていた・・・
花盛りのリンゴの木の動かない「静」の描写に対して
シジューカラが動き回る「動」の描写の対比がおもしろく
また
「紺碧の空」から
「驟雨」に変わる変化もまた、野崎さんがおっしゃったように「絵画」や「映画」を感じさせるページかなとも思いました。
レクチャーが終わった4時半すぎには、大きなツリーの木々には、クリスマスの電球のあかりが灯っていました・・・。
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