8月14日の朝、シロバナクジャクサボテンの大輪の花が、優雅に花開きました。13日には蕾が大きくふくらんでいたので、14日の早朝に期待しながら庭の鉢を見に行きますと、やはり見事に花開いていました!!!
クジャクサボテンは、メキシコ中央高原で栽培されていたものに、数属以上のサボテン類を交配して改良したもので、花の色は白、赤、ピンク、オレンジ、黄色、紫などいろいろの園芸品種があるとのことです。
サボテンや多肉植物が大好きな友人から教えていただいた「シャボテン幻想」という本があるのですが、以前に電子書籍に入れておいたのを思い出して、読んでみました。
著者の龍膽寺雄(りゅうたんじ・ゆう)さんは、1901年茨城県生まれの作家ですが、サボテンの研究家としても国際的にも名前を知られていた方だそうです。昭和初期にモダニズム文学の作家として活躍されていたのですが、文壇の派閥などが嫌になりサボテンを育てはじめたところ、すっかり夢中になってしまい、サボテン研究家にまでなられてしまったとのこと。
この本は、サボテンの歴史などサボテンに関する興味深い話をおもしろく書かれています。
龍膽寺さんは、人生観もサボテンを通して述べられています。
サボテンは、砂漠という過酷な自然で生きている植物であり、人間もまた心に砂漠を抱いて生まれてきているので、どちらも荒涼が性にあっていて、「荒涼の美学」という点で似ているとのこと・・。
また、サボテンは性格的な植物で、一般の草花好きというようなタイプとは違う性格のタイプの人をひきつける・・・。
あるいは、草花好きの人を植物的性格、多肉植物やサボテンが好きな人を動物的といっているなど、彼の人生観や人間観も、ユニークでおもしろいと思いました。
「シャボテン幻想」を読んでいたら、少し意味が違うのですが、堀辰雄さんが本の中で、こんなことを書かれていたのを思い出しました。
堀さんによれば、クレチウスという人が、「プルースト」という本の中で作家を2つのタイプ、動物(フォーナ)と植物(フローラ)に分けた場合、プルーストは植物(フローラ)といっていたとのこと。
プルーストの本には、かなりたくさんの植物が出てきますので、たしかにプルーストは植物のタイプの作家というのは、わたしも頷けました。
14日に咲いた花は、16日の朝、こんな感じにしぼんでいました。2日間だけのパフォーマンスでしたが、綺麗に咲いて楽しませてくれたシロバナクジャクサボテンは、暑い夏の白日夢のような花でした。
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