先日、ルナールの「博物誌」を読んでいましたら、「蝶」という題名で、「2つ折りの恋文が花の番地を捜している」と、書いてあるのを見つけました。蝶の2つ折りの羽からラブレターを想像し、花の番地を捜しているという発想は、ユニークだと思いました。
この蝶は、大きな黒い目がつぶらで人気者の「イチモンジセセリ」です。今年の夏に見つけた一番かわいい蝶だったのですが、ラブレターの2つ折りは、たぶん白い羽の蝶の方がイメージにあうかもしれませんね。7月初めのころ、満開のノリウツギの花の密を吸っていました。
この黒い蝶は、8月2日に家の庭に来たアゲハです。ヤマツツジにしばらく羽を広げて休んでいました。こんなに羽が光って豪華なアゲハを見ていたら、与謝野晶子が、夢の中でむらさきの蝶が飛んでいるのを見て、ふるさとの藤の花に見えたという歌を思い出しました。たしか、こんな歌です。
「むらさきの蝶 夜の夢にとびかひぬ ふるさとにちる藤の見えけむ」
与謝野晶子
この蝶は、7月のはじめ、庭のオカトラノオの密を吸いに来たヒョウモンチョウです。
いまは、8月のいちばん暑い時なので、チョウ類は「夏眠」するとのこと。そういえば、あんなにたくさん飛んでいた蝶たちは、すっかり姿が見えなくなってしまいました。
きっと、蝶たちはどこかの木陰で夢を見ながら「夏眠」しているのでしょうか・・。
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