引き出しの整理をしていましたら、香水の瓶がいろいろと出てきました。その中でひときわ大きく輝いて見えたのが、このイヴ・サン=ローランの香水「パリ」です。
「パリ」は、ヨーロッパに住んでいた頃に大好きになった香りで、ベルギーの街を歩いていたとき、通りすがりのマドモアゼルから、ニコッとして「パリでしょ?」と、言われて驚いたことがありました。
イヴ・サン=ローランは、パリが大好きでパリのことを、「心から私が愛している街、誰も貴方を超えることは出来ない」と言ったそうですが、実はわたしも大好きな街でした。
どっしりとした感じのボトルは、ダイヤモンドカットされていて、庭の太陽の下に置きますとまわりの景色を写して「キラキラ」と光ってすてきなのですが、実はパリの夜の街のイメージとのこと。香水のキャップは、ドキッとするようなコーラルピンクで、個性的な色です。
パリの香りは、最初のシュッとひと吹きのとき、少し柑橘系のつんとしたような香りが漂うのですが、そのあとは、濃厚なバラのエッセンスをぎゅっと詰め込んだような妖艶で濃密な匂いがしてくるのです。
調べてみましたら、トップノートはオレンジブロッサムとバイオレット(スミレ)ということですので、あの最初のつんとする柑橘系の香りはオレンジの花で、それにスミレの花がプラスされた香りのようです。ミドルノートの妖艶なバラと感じたのは、メイローズというバラでそのほかにもミモザやアイリスなどがミックスされているとのこと。
トップノート、ミドルノートとくれば、最後のラストノートですが、これは全くわかりませんでした。ベチバーとアンバーだそうですが、ベチバーとはイネ科の植物で、香水には根を使うので、土壌の香り、アンバーは、香水のラストノートにはよく使用される甘い深みのある香りとのことです。
香水「パリ」のイメージは、わたしにはいつもあのフランスの大女優のカトリーヌ・ドヌーヴを思わせます。妖艶で成熟した大人の女性のイメージがするからです。先日も是枝監督作品の「真実」に出演の彼女を観たのですが、まだどこかにかわいらしさがある堂々たる美貌が感じられてすてきでした。
日本に住むようになってからは、あの妖艶なパリの香水は、この瓶が最後になってしまいました。好みが変わったからです。少し瓶の底に残っていたパリの残り香をなつかしんでみた午後でした・・。
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