先日、林の下にひっそりと咲く、「ヒトリシズカ」を見つけました。「ヒトリシズカ」は、「一人静」と書き、あの義経の恋人だった静御前の白拍子の姿が語源とのこと。4枚の葉の中央に、糸のような真っ白の花が咲く風情は、いつもさみしそうな花だと思ってしまうのは、わたしだけでしょうか・・。
「寝る前5分のモンテーニュ」を、読みました。著者のアントワーヌ・コンパニョンさんは、プルーストやモンテーニュなどの専門家で、フランス文学者です。
実はアントワーヌさんには、2021年5月15日と16日に、オンラインで開催された日仏シンポジウム「プルーストー文学と諸芸」に参加させていただいたときに、フランスからライブ映像で、講師のおひとりとしてお目にかかっています。
また、アントワーヌ・コンパニョンさんが著者のおひとりの「プルーストと過ごす夏」という本も読んでいるので、この本は彼の著書の2冊目になります。どちらも、フランスではベストセラーということで、人気の本だとか・・。
ところで、この本は、モンテーニュの入門書として、フランスのラジオ番組のために書かれた5分のシナリオを書籍化したとのことで、40章のひとつひとつが短く読みやすく、「エセー」のエッセンスを上手にまとめていらっしゃると思いました。
モンテーニュは、父の方針で言葉を話し始めるころからラテン語の教師をつけてラテン語をフランス語よりも先に覚えさせられたとのことですが、この「エセー」をラテン語ではなく、フランス語で書いたのは、彼の想定する読者の言語であったからとのこと。
また、彼は、父が建てた現存する丸い塔の中で、できるだけ長い時間を過ごし、読書や思索、そして執筆のために閉じこもったとのことですが、その塔の中にある図書室は、家事や公的生活からの避難場所でもあったのだとか・・。
彼はこの本で、自分のことのみ書いて思索していますが、膨大な読書の結果、クセジュ 自分は何を知っているのか?(何も知っていない・・)という言葉を残しています。賢明なる無知のことで、知の無限さを感じさせるようで好きな言葉です。
この「エセー」についてモンテーニュは、こんな風にも書いています。
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わたしがこの書物を作ったというよりも、むしろ、この書物がわたしを作ったのである。これはその著者と実体を同じくする書物である。
・-・-・-・ 引用90p
この本は、モンテーニュの「エセー」の入門書ですが、短い40章の部分、部分が、大著「エセー」のエッセンスになっており、楽しんで味わって何度でも読み直したくなる本になっていると思ったのでした・・。