チゴユリが、林の下で咲き始めました。チゴユリは、名前につく「稚児」のように小さな白い可愛い花です。この花を最初に見たときには、何とかわいらしい花だと、いっぺんに好きになったのを思い出します。小さくて白い花が大好きですから・・。
海野弘さんが、書かれた「プルーストの部屋」上・下の2冊を久しぶりに再読しました。この本は、2002年1月に初版と書かれていますので、もう20年以上も前にプルーストと並行して読んだことを、懐かしく思い出すのですが、本箱の中で、もうすっかりセピア色になっていました。
(海野さんの本は、このほかに本箱には「プルーストの浜辺」や「パリの手帖」などの単行本が2冊もあったのですが、これらは以前に古本屋さんで購入して読んだようです。)
海野さんは、「アール・ヌーボーの世界」などの本も書かれ、プルーストが生活していた時代の専門家でもあり、当時のパリの様子や室内装飾、ファッションなど、風俗史、美術史、演劇史などの面から「失われた時を求めて」の世界を描かれていて、興味深く読むことができました。
上の巻では、「スワンの恋」に出てくる、スワンやオデットという名前から、世紀末のアール・ヌーボーの世界は、白鳥の首の曲線を好み、また、白鳥は、「時」の象徴であることなどから、海野さんは
・-・-・-・
「失われた時を求めて」のテーマを象徴する「時」の物語として、プルーストは「スワンの恋」を置いたのではなかったろうか。
・-・-・-・ 引用37p
と、推論なさっていますが、このような彼の視点は、おもしろいと思いました・・。
また、この「プルーストの部屋」では、多くのページに何度も、恋人のアルベルチーヌのために作ったフォルチュニーのドレスの話が出てきますが、このフォルチュニーのドレスのデザイン展が日本で2019年に開催されたときに見に行ったのを思い出します。
「マリアノ・フォルチュニ織りなすデザイン展」というタイトルで東京の三菱一号美術館で開かれていたのですが、その時のことは、このブログの2019年7月30日にアップしています。
「失われた時を求めて」は、このようにプルーストの世界を、ファッションなどの面からも多面的に楽しめる魅力を持っており、わたしのような読者には、うれしく思います。
この本は、「マリ・クレール」という雑誌に写真いりで連載されていたものを、単行本化し、その後に文庫化されたとのこと・・。著者の海野さんは、長年アール・ヌーボーの研究をなさっていたことから、プルーストの生きた時代を、より視覚的、具体的に興味深く描かれており、「失われた時を求めて」の世界を、もう一度楽しく読み直すことができたのでした・・。
0 件のコメント:
コメントを投稿