2016年1月11日月曜日

梅は、おしゃれな花!



 昨日の10日に、東京で梅が開花したというニュースを聞いたのですが、こちらでも昨日梅が咲いているのを見つけました。



 それにしても、東京はわかるのですが、この標高の高い那須高原で、1月に梅が開花するというのは、暖冬なのだとしみじみ思います。

 この写真の背景は、夜に降った雪ですが、日中には溶けてしまいました。

 ところで、「万葉集」の頃には、花といえば梅の花のことをさしていたということです。

 それは、当時の日本の上流社会では、中国の文学書や哲学書が教養人には好まれていて、中国趣味があり、中国では古来、梅が学者の花とされていたので、日本でも梅が好まれ梅花礼賛ということになったようです。

 万葉集の歌人・大伴旅人もやはり中国趣味だったようで、梅の花を詠んだ歌が残されています。

残りたる雪に交(ま)じれる梅の花
       早くな散りそ雪は消(け)ぬとも

                      大伴旅人(万葉集849)

「残っている雪にまじって咲く梅の花よ
        早々とは散らないでね、雪は消えてしまっても」
                            あみ訳


ドナルド・キーンさんは、このように英訳されています。

Plum  blossoms
Lingering  on  the  boughs
Amidst  the  snow-
Do  not  fall  too  quickly.
Even  if  the  snow  melts  away.


 また、酒に梅の花を浮かべたロマンチックなこんな歌もあります。




 梅の花夢に語らくみやびたる花を我思ふ
                  酒に浮かべこそ

                      大伴旅人(万葉集852)

「梅の花が夢で語ることには、みやびな花だとわたしは思う
             さあ、酒にわたしを浮かべてほしいと・・・」
                             あみ訳


ドナルド・キーンさんの英訳です。

The  plum  blossoms.
Addressed  me  in  a  dream:
`We  consider  ourselves
Most  elegant  flowers-
Please  let  us  float  on  sake.`


 万葉集の頃は、梅はほんとうにおしゃれな花だったのですね。




               
          ドナルド・キーンさんの英訳は
         「日本文学の歴史1古代・中世篇1」ドナルド・キーン著
               から引用させていただきました。




0 件のコメント:

コメントを投稿