2016年2月5日金曜日

白鳥伝説



 きょうは、あたたかい一日でした。

 いつもの散歩コースで写した写真ですが、
大好きな風景です。




 真っ白な雪と、冬晴れの青い空、そこに浮かんでいる
ふわふわの白い雲・・。

 こんな景色を見ていると、思わず深呼吸してしまいます。

 いま、古事記を読んでいるのですが、白鳥伝説のことを
思い浮かべながらの、散歩でした。

 この話しは、白洲正子さんも、「古典の細道」という本に
「白鳥の歌」というタイトルで書いていらっしゃいます。

 白洲さんは、国立博物館にある埴輪の「甲冑を着た武人」
を見られると、孤独な道を歩いた倭建命のことを思われる
ということです。


           「古典の細道」白洲正子著・新潮選書

 
 倭建命(やまとたけるのみこと)は、東国平定からの帰途、
能褒野(のぼの)で瀕死になられました。

 その時に故郷の大和を思ってこんな歌を詠まれています。


「倭(やまと)は 国のまほろば、たたなずく 青垣 山籠れる 倭し麗し」




 そしてついに、倭建命は、その能褒野で亡くなられたのですが、
白鳥になって故郷をめざして、飛びたっていかれたということです。

 倭建命は生前、父に次々に出される国の平定の戦の命令に、
父は自分の死を願っているのではないのかという不信感を
持たれていました。

 戦に明け暮れる日々に、どんなにかなつかしい故郷の大和に早く
帰りたいと願っていたことでしょう・・・。

 この歌には、彼の望郷の切ない思いが表れているように思います。

 それにしても、倭建命が故郷の大和をめざし白鳥になって飛んで
いったという伝説は、哀しすぎるお話しです。



          古事記  山口佳紀・神野隆光【校訂・訳】小学館





  

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