2017年6月4日日曜日

松島のバラの寺


 ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで2つ星を
とったお寺が、松島にあります。


 伊達政宗の孫、光宗の廟所の円通院です。


 昨日、訪ねたときには、ちょうどバラが見頃でした。


光宗の廟所の、三慧殿(さんけいでん)と呼ばれる建物の中の厨子には、
馬に跨った光宗像があり、バラの花も描かれています。


このバラの花は、ローマを象徴しているそうで、フィレンツェを
表すスイセンが描かれている絵もありました。
 他にも、キリスト教文化の影響を受けていると思われるトランプなどの
図柄もあり、徳川幕府のキリシタン禁止令のため、この厨子のある
三慧殿は、長い間、閉じられていたということです。


伊達政宗は、支倉常長を、慶長遣欧使節団を率いて石巻から
ヨーロッパに渡航させていますが、常長がカトリック教徒と
なって帰国した時には、すでにキリスト教禁止令が出ていました。
そのため、仙台藩は幕府に、この厨子の図柄などは隠しておきたかった
のだと思います。



光宗は、文武に秀でたすばらしい名将だったと言われていますが
それ故か19歳で江戸城で突然に亡くなったという謎もあるようです。


 すばらしい厨子をはじめ、円通院のたたずまいを見ていますと、
光宗がどんなに皆に愛され、惜しまれる存在であったかが、わかるように
思われました。

 案内の方のお話しでは、東日本大震災の時に、この円通院をはじめ
松島に観光にいらしていた観光客の方がたは、瑞巌寺に数日避難されたのちに、
仙台までバスで送っていただき、全員無事だったということです。



 支倉常長がヨーロッパに向けて船出した石巻から、観光にいらしていた
年配の方は、案内の方と震災の話しになったときに、涙が止まらなく
なられていたのも印象的でした。



 バラのお寺・円通院での午後は、いろいろなことが思われるひとときでした。



 
 

 









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